全日病について

ホーム > 全日病について > 全日本病院学会 > 第55回 全日病学会 in 埼玉 概要報告
全日本病院学会

第55回 全日病学会 in 埼玉 概要報告

一体改革に向け、あるべき提供体制へ意見・提言を総結集

公益法人後初の学会に過去最多2,555人

 「第55回全日本病院学会in 埼玉」(埼玉県支部担当、中村康彦学会長)は、11月2日、3日にさいたま市の大宮ソニックシティで開催され、過去最多の2,555人が参加、全日本病院協会の公益法人移行後初の学会として成功裏に幕を閉じた。
 2025年問題、地域包括ケア、在宅医療、地域特性や病床特性に応じた病院経営、総合診療医など、第6次医療法改正を控え、これからの地域医療を考える上で鍵となるテーマが俎上にのぼり、多様な視点から考察された。
 また、医療機能分化と診療報酬、地域一般病棟、消費税問題など、2014年度診療報酬改定を前に喫緊の課題が取り上げられ、様々な意見・要望が飛び交った。
 さらに、夜勤・交代勤務の編成、人材紹介会社の活用、院内事故調査の指針など、病院経営をめぐる諸問題が議論され、中小病院だけでなく大規模施設の戦略・戦術が披露された。
 他方で、健康寿命の延伸、職場における生活習慣病の予防、高齢者の栄養ケアなど、高齢化社会の医療と予防をめぐる啓発と事例紹介が行なわれた。
 一体改革がめざす提供体制への道筋が示される中、埼玉学会は、その原点である、地域医療を守る立場を明確に打ち出す「地域医療を担う我ら―埼玉から日本へ発信」というテーマを掲げた。
 その上で、全国の病院とりわけ民間病院が総結集し、改革に前向きに向かうために必要な意識改革と戦略を確認、あるべき医療提供体制を提言する2日間となった。

全日本病院協会 第55回全日本病院学会in 埼玉 画像01
▲様々な視点から地域医療を論じた埼玉学会は大成功を納めた(写真右は中村学会長)

厚労省「これからの5年が将来を決める重要な期間」

江利川元事務次官「提供体制は地域特性を踏まえて対応―都道府県に権限と財源を与える」

 「地域医療を担う我ら―埼玉から日本へ発信」をテーマに掲げ、11月2日、3日にさいたま市で開催された「第55回全日本病院学会in 埼玉」(埼玉県支部担当・中村康彦学会長)は、総演題数が689題に達した上、参加登録者も全日病学会史上最多の2,555人にのぼるなど、昨年の神奈川学会を凌駕する盛り上がりをみせた。

  特別講演で、厚労省医政局の佐々木室長は、2014年度に開始予定の医療機能情報報告制度、15年度の地域医療ビジョン策定、18年度の、次期医療計画と介護保険事業計画の策定そして同時改定という工程を説明。「これからの5年が皆さんの将来を決める重要な期間となる」と、注意を喚起した。
 同じく特別講演で、元厚生労働事務次官の江利川毅氏は、今後の改革において「医療保険制度は全国的視点で対応するが、医療提供体制は地域特性を踏まえて対応していく」ことがベースであり、「都道府県の役割を大きくする。そのために権限と財源を与える」流れであるとの認識を表わした。
 7月に全日病が公表した「プライマリ・ケア宣言2013」を踏まえて行なわれた日本プライマリ・ケア連合学会との連携シンポジウムで、西澤会長は、「今後も同学会と全日病が共同して討論会や研修を実施し、総合診療医の普及に協力しあっていきたい」と、抱負を明らかにした。
 地域一般病棟について講演した猪口副会長は、全日病が調査した地域一般病棟的な機能をもつ急性期病院のデータ、厚労省の中医協や医政局検討会における機能分化の議論、さらには日医・四病協共同提言の医療機能区分案を紹介。
 「多様な議論が起きている。問題は、急性期における在宅医療と介護対応をどのように位置づけるかである」と整理しつつ、「次の改定で拡大される亜急性病床が医政局のいう急性期と回復期のどちらになるのか」が重要な分岐になると指摘した。
 他方で、「地域一般病棟的な病院(病棟)は必要だが、その呼称は見直すべきかと考えている」ことを明らかにした。
 「消費税の今後について」講演した自民党税制調査会の野田毅会長は、10%に上がるときに医療の非課税問題をどう取り扱うかについて、「乗り越えなくてはならない様々なハードルがある」という認識を披露した。

全日本病院協会 第55回全日本病院学会in 埼玉 画像02