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DPC機能評価係数の決定過程は不透明

2016年度は神野正博副会長が日本社会医療法人協議会の代表者として議長を務める。

DPC機能評価係数の決定過程は不透明

【日病協】
重症度係数の決め方は「ブラックボックス」 中医協に改善求める

 日本病院団体協議会は4月22日の代表者会議で、2016年度改定におけるDPC制度の見直しについて協議し、係数等の決定過程が「ブラックボックス」になっているとの認識で一致。小山信禰DPC分科会長を通じて、中医協に改善を申し入れることを決めた。
 代表者会議は、4月13日の中医協総会の内容について議論した。なかでもDPC制度について議論が集中。会議後に会見した神野正博議長は、「激変緩和措置としての暫定調整係数で不利益をうける病院を助けるという意味がありながら、係数の決め方がブラックボックス化しており、極めて大きな憂慮を示す意見が出された」と報告した。
 とくに2016年度診療報酬改定で機能評価係数Ⅱに新たに追加された重症度係数について、「どのような経緯で係数となったのか、決定過程が明らかではなかった」と述べ、問題視した。
 重症度係数は、ゼロとなる病院が少なくない。日病協は代表者会議に先立つ4月20日の実務者会議において、厚労省保険局医療課の担当者を招き、説明を受けている。神野議長は「重症化係数は粗診粗療をしていない病院を評価する意味で設けられたが、医療費をかけずによいアウトカムを出すことが評価されていないという不満が出ている」と説明した。
 日病協として、DPCの係数について丁寧な議論が必要という認識で一致。
 神野議長は「小山DPC分科会長を通して、重症度係数等の考え方について丁寧に議論を行うよう、中医協に申し入れる」と表明した。
 また代表者会議は、医薬品の薬価収載についても、中医協に提出されるまでの手順が不透明であり、今後は明らかにすべきという主張で一致した。
 新しい専門医制度についても議論がなされた。来年度の新制度スタートに向けて現状は準備不足であり、日本専門医機構のガバナンスに問題があるという認識では一致した。専門医機構の会議では、議事録が非公表である点を問題視する意見もあった。
 神野議長は、「今のままの専門医機構により、新しい専門医制度を始めることに懸念を抱くという認識に、反対意見はでなかった」とまとめた。

 

全日病ニュース2016年5月15日号 HTML版

 

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  • [1] 高額薬剤の薬効 保険適用の際に制限も検討|第870回/2016年5月1 ...

    http://www.ajha.or.jp/news/pickup/20160501/news02.html

    2016年5月1日 ... 中医協は4月13日の総会(田辺国昭会長)で、7成分12品目の新薬の薬価収載を承認
    したが、高額薬剤に対する薬価算定の方法や ... 全日病副会長の猪口雄二委員はDPC
    制度の改定について、「より複雑になり、DPC制度がブラックボックス化している」と述べ
    た上で、3点を質問。 ... 中で)暫定調整係数が表現するものは何かを考えた場合に、
    診断群分類だけでは表現しきれない患者の重症度を評価した」と回答。

  • [2] 全日病ニュース・紙面PDF(2016年5月1日号)

    http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2016/160501.pdf

    2016年6月4日 ... になり、DPC制度がブラックボックス. 化している」と ... ているか③重症度係数の考え方
    ─. の説明を .... 川島周). 中医協. ○消費税率8%への引き上げに伴う改定項目
    に対する平成28年度診療報酬改定(例). 現行. 【在宅患者訪問診療料】.

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