全日病ニュース

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メタボリックシンドロームの判定基準を維持

メタボリックシンドロームの判定基準を維持

【厚労省・検討会】
2018年度からの第3期特定健診・保健指導

 厚生労働省は、2018年度から始まる第3期特定健診・保健指導の計画期間に向けて、特定健診・保健指導の実施方法等を検討しているが、現行の健診項目を維持すべきとする内容の報告書を8月10日に公表した。報告書は、「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」(多田羅浩三座長)がまとめたもので、内臓脂肪の蓄積を評価する指標である腹囲は現行基準(男性85cm以上、女性90cm 以上)を維持するなどとしている。
 特定健診・保健指導は、脳卒中や糖尿病などの生活習慣病の重症化を予防する観点から、内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)に着目し、基準の該当者に保健指導を促す仕組み。
 報告書は、「内臓脂肪蓄積の程度とリスク要因の数に着目した現行の特定保健指導対象者の選定基準を引き続き維持する」と明記。腹囲の現行の基準は維持する方向だ。腹囲が基準未満で、リスク要因(血圧高値、脂質異常、血糖高値)がある場合は、特定保健指導の対象とならないが、非肥満者の中にも生活習慣病のリスクが高い者がいるとの指摘があり、その対応を引き続き検討するとした。
 健診項目については、特定健診・保健指導が既に8年以上運用され、国民に定着していることや、検査値の連続性を担保する必要性から、「現在実施している健診項目等について基本的に維持する」としている。
 血中脂質については、国際標準に近い「non-HDL コレステロール」を新たに採用することを議論したが、現行のLDL コレステロールが「悪玉コレステロール」として定着していることから、維持すべきとした。
 血糖検査は、現行どおり「空腹時血糖」または「HbA1c」とした。ただし、健診受診率の向上を図るため、「随時血糖」を健診項目に加えるべきとする意見があったことから、「HbA1c」をやむを得ず測定しない場合は食直後を除き「随時血糖」による検査を「可」とした。
 また、糖尿病予防に有効な血清クレアチニン検査について、「詳細な健診項目」に追加すべきとした。保険者が重症化予防を強く推進していることを踏まえた。

 

全日病ニュース2016年9月15日号 HTML版

 

 

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    http://www.ajha.or.jp/news/pickup/20160601/news14.html

    2016年6月1日 ... 2008年度に導入されたメタボリックシンドロームに着目する特定健診・特定保健指導
    、生活習慣を改善することにより、 ... 身体計測(BMI、腹囲)◇血圧◇脂質(中性脂肪、
    HDL・LDLコレステロール)◇血糖(空腹時血糖またはHbA1c)◇肝 ...

  • [2] 人間ドック実施指定施設 各位 この調査票は郵送またはFAX用です ...

    http://www.ajha.or.jp/hms/medicalcheckup/anq/h23res_post-fax.pdf

    2012年5月21日 ... ※3 特定保健指導を実施する職員をご記入ください(歯科医師・薬剤師・助産師・歯科
    衛生士等)。 ..... b HbA1cの場合 5.2% 以上 又は ... している場合には、メタボリック
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  • [3] 平成24年(2012年):特定健診・健診・予防・健康全般に関する情報:医療 ...

    http://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/cat05/backnumber/2012/

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