全日病ニュース

2015年度介護報酬改定の効果検証に向けて調査内容を検討

【介護報酬改定検証･研究委員会】

　社会保障審議会・介護給付費分科会の下に設置されている介護報酬改定検証･研究委員会（松田晋哉委員長）は９月23日、2015年度介護報酬改定の効果を検証するための調査の実施に向けて、調査内容を検討した。2018年度の診療報酬・介護報酬の同時改定や介護保険制度の改正を意識した、医療と介護の連携や地域づくりに関する項目が目立つ。新たに病院･診療所からの訪問看護の提供状況も調べることにした。
　この日の意見を踏まえて調査票を修正し、介護給付費分科会に報告する予定。分科会の決定を踏まえ、厚生労働省は10月中に調査を実施する意向で、来年２月以降に調査結果をまとめて介護給付費分科会に報告する。
病院からの訪問看護を新たに調査
　今年度に実施する調査は右表の７本。
　①の中重度者へのリハビリテーションの実態調査では、通所リハビリ･訪問リハビリの事業所各1,000ヵ所程度に調査票を送るほか、理学療法士の訪問を実施している訪問看護ステーション1,000ヵ所程度も今回初めて調査する。それぞれリハビリの実施状況以外に、地域との交流や連携なども質問する。
　②の病院･診療所が行う中重度者の医療ニーズに関する調査では、介護療養型医療施設に対し悉皆調査を行う（1,400 ヵ所程度）。また、医療療養病床を有する医療機関2,000ヵ所程度を無作為抽出する。医療および看護、介護などの提供状況などに加え、退院支援や地域貢献活動の状況も聞く。
　さらに病院･診療所が行う訪問看護の状況を初めて調べる。対象は600ヵ所程度の見込み。この中で「地域の訪問看護ステーションの支援のためにできること」や「地域の訪問看護ステーションに担ってほしい役割」などについても尋ねる。
　また、訪問看護ステーションを400ヵ所程度無作為抽出して調べる。訪問看護ステーションには「病院･診療所からの訪問看護や医療機関併設型の訪問看護ステーションに期待すること」についても聞く。
　そのほか、⑤の居宅介護支援事業所および介護支援専門員の調査では、制度改正をにらんで、ケアマネジメントのあり方を検討する上で必要な項目が追加された。
　居宅介護支援事業所を対象とした事業所調査では、利用するサービスについて最も紹介件数の多い法人の割合や特定事業所集中減算の状況、ケアマネジャーの育成の仕組み、管理者の役割、地域づくりなどを詳細に聞く。
　ケアマネジャー調査では、インフォーマル･サポートをケアプランに位置づけているケースについて調べる。

表　介護報酬改定の効果検証の調査項目