全日病ニュース

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専門医制度新整備指針を承認

専門医制度新整備指針を承認

【日本専門医機構】
地域医療への配慮を明記

 日本専門医機構(吉村博邦理事長)は12月16日の総会で、専門医制度新整備指針を承認した。機構と学会の役割分担や基本診療領域とサブスペシャリティ、基幹施設と連携施設の関係などについて、第1版からの変更を行った。
 地域医療への配慮も盛り込んだ。機構は来年以降、2018年度のスタートに向け、6月に専攻医の募集を開始できるよう準備を進める。
 新整備指針は新専門医制度の基本的な考え方を示すもの。当初、来年度の開始を予定していた新専門医制度は、地域医療への配慮が不十分との指摘があり1年延期となった。問題とされたのが旧整備指針であり、改訂が求められていた。改訂された個所は多岐にわたるが、地域医療への配慮をどこまで盛り込むかが焦点の一つとなった。
 特に、日本医師会の横倉義武会長名で提出された7項目の要望をどう反映させるかで、理事会において意見の応酬があった。その結果、要望は概ね反映される形となった。具体的には、◇プログラムの認定は各都道府県協議会で医師会、大学、病院団体等の了解を得る◇研修期間は妊娠、出産、育児等の理由により中断でき、かつ6カ月までは研修を延長しないですむ─ことなどが、新整備指針に明記された。
 ただし都市部のプログラムで、専攻医の募集を一定水準に制限する規定は、各基本診療領域の運営細則にゆだねることになった。例えば、病理の場合、ある程度の偏在を許容しないと、標準的な研修が受けられないとした。吉村理事長は「専門医制度で医師偏在を解決するのは難しいが、少なくとも今以上の偏在の拡大は防ぐ」と述べた。
 その他の事項についても、◇プログラムは学会が1次審査を行い、機構が整備指針に則っているかを2次審査で確認する◇(年次による履修過程を備える)プログラム制を原則とするが、一部(年次を定めない)カリキュラム制を考慮する◇原則1つの基幹施設と複数の連携施設からなる循環型の研修とするが、弾力的な運用を可能とする─などの考え方を盛り込んだ。
 今後、機構と各学会は2018年度からのスタートに向け準備を急ぐ。1月中には、機構において、各基本診療領域の運用細則を策定。2~3月に各学会が研修プログラムを作成した上で、機構が確認する。来年の6月から募集を始められるようにする。

 

全日病ニュース2017年1月1日・15日合併号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 医療部会で新専門医制度に批判相次ぐ|第866回/2016年3月1日号 ...

    http://www.ajha.or.jp/news/pickup/20160301/news04.html

    2016年3月1日 ...専門医制度に関しては地域医療に配慮するとの理念が打ち出されており、専門医
    機構は「現在以上に医師が偏在することがないよう、地域医療に ... 整備指針にもとづい
    て、関係学会は各領域の専門研修プログラム整備基準の作成を開始。

  • [2] 全日病ニュース・紙面PDF(2016年3月1日号)

    http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2016/160301.pdf

    2016年3月26日 ...専門医制度医療部会で批判と再考求める声が続出. 「来年4月研修開始を延期すべき
    」と ... 疑問や意見は、①研修施設の基準、. ②地域偏在対策、③研修プログラム審 .....
    整備指針にもとづいて、関係学会は. 各領域の専門研修プログラム ...

  • [3] 全日病ニュース・紙面PDF(2016年10月1日号)

    http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2016/161001.pdf

    2016年10月1日 ... 療体制整備計画」を医療計画に一本化 ..... 新専門医制度については、今年2月 ... 医師
    偏在対策など来年1月に結論 ... 2018年度からの新研修プログラムでは、 ... 日本
    専門医機構. 表 今後の主要な検討テーマ. 医師偏在対策. 「医師需給分科会」で年末に
    向けて検討を進め、とりま ..... る周産期医療体制整備指針を医療計画.

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