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地域枠医師に要件履行を求める対応を決定

【厚労省・臨床研修部会】
補助金減額の提案には反対意見

　医道審議会・医師分科会医師臨床研修部会（桐野高明部会長）は３月23日、臨床研修制度における地域枠医師への対応を決めた。一方、地域枠で医学部に入学しながら、義務履行要件に反する専攻医を臨床研修病院が採用した場合に補助金を減額する措置については、再度議論することになった。外国の病院で研修した医師が帰国して、日本で行う臨床研修の期間は短縮する。また、2020年度の臨床研修制度の見直しに向け、「臨床研修の到達目標、方略及び評価」を了承した。
　地域枠で医学部を卒業した医師に対しては、臨床研修の期間に一定の地域で診療に従事することを要件としている場合があるが、この要件が履行されていない事例が指摘されている。
　厚生労働省は今回、その対応案を提案。具体的には、◇研修医は選考過程でマッチング参加病院に地域枠の要件等を伝える◇都道府県は要件が課せられている地域枠入学者の情報を参加病院に通知することを臨床研修のマッチング参加規約に定めるとした。この提案に委員から異論は出なかった。
　厚労省はこの提案の実効性を高める観点から、「臨床研修病院が義務履行要件に反する研修医を採用している場合、当該病院に対する臨床研修補助金を減額する」することを提案した。さらに、「今後、当該病院の募集定員を削減することも検討」するとした。
外国で研修した医師の研修期間短縮
　外国で研修を受けた医師の日本での研修期間が、一律に８カ月となっているのを短縮する。８カ月としているのは、外国の病院を臨床研修の協力型研修病院とみなしているためだ。臨床研修制度では、基幹型と協力型の臨床研修病院を設けており、基幹型での８カ月以上の研修を必須としている。
　しかし外国で十分な経験を積んだ医師もいるため、「外国病院での研修をすべて協力型で受けたとみなす規定は不合理」との指摘が出ていた。このため、外国の病院であっても、基幹型相当とみなせる場合は、日本で１カ月以上の研修を受ければよいことにする。
　委員から反対意見はなかったが、神野委員は、外国の病院が基幹型相当であることの基準の明確化を求めた。
　また、委員から臨床研修制度見直しに際して、外科研修の必須化の要望があった。厚労省は「2017年度の大変重要な課題。全体の日程をみながら議論していきたい」と答えた。厚労省は2020年度の臨床研修制度見直しに向け、準備期間を考慮して2017年度中に中身を固める意向を示している。