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[ 2005年4月1日の「全日病ニュース」から ]
※『全日病ニュース』は全日本病院協会が毎月1日と15日に発行する機関紙です。
記事No. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 
■  佐々会長を4選
3期実績を評価。3副会長も留任
 3月26日に東京都内で開催された第84回定期代議員会で行なわれた2005年度役員選挙において、理事に立候補した54名全員の当選が決まった。ただちに開かれた臨時理事会は全会一致で佐々英達現会長の4選を決定。佐々会長は西澤寛俊、手束昭胤、安藤高夫各氏の副会長留任を決め、さらに、常任理事20名を指名した。
 臨時理事会の結果は代議員会に報告され、満場一致で承認された。役員選挙結果と臨時理事会の決定は第73回定期総会でも承認され、佐々執行部は4期目の続投が決まった。
 第84回定期代議員会は、「病院のあり方報告書2004年版」を具体化する2005年度の事業計画案と予算案をともに満場一致で承認。佐々執行部に全日病の舵取りを全面的に付託した。
(本号記事No.2に新役員名簿と2005年度事業計画を掲載)

第84回定期代議員会・第73回定期総会
▲第84回定期代議員会・第73回定期総会は2005年度事業方針と予算を承認した。


理事10名、常任理事4名が新人。世代交代進む

 第84回定期代議員会・第73回定期総会には来賓として日本医師会植松会長(代理・寺岡副会長)が挨拶、武見参議院議員および西島参議院議員から祝辞・祝電が寄せられた。
 役員に立候補した理事54名、監事3名、代議員会議長1名、同副議長2名はいずれも定員内であるため、定款施行細則第8条8項にしたがって各職とも全員が当選した。佐々会長から指名された西澤、手束両副会長も4期目を迎える。
 新選出は新理事のうち10名(18.5%)、新常任理事のうち6名(30%)を数える。2期目となる安藤副会長を筆頭に40歳代から50歳前後の台頭が著しく、佐々執行部が過去3期進めてきた、世代交代など人事の活性化が今回も実現した。
 4選なった佐々会長は、任期をまっとうすると、8年間にわたって全日病の運営を司ることになる。
 秀嶋宏前会長(現名誉会長)の4期7年2ヶ月を超え、初代小澤凱夫会長に次ぐ長期執行体制となることが確実だ。

「複雑化する情勢をにらみ」4選を受諾

 佐々執行部は、これまでの3期6年、若手会員を積極的に登用して委員会活動を活性化し、質の向上を理念に据え、データにもとづいた根拠のある提言活動を喚起し、「病院のあり方報告書」を初めとする数々の成果を行政と病院界に示すとともに、会員数の着実な増加を実現した。
 その実績が高く評価され、圧倒的な支持を得て、より困難な局面に向けて引き続き民間病院のリーダーシップを執ることが託された。
 選挙後の挨拶で佐々会長は、「かねがね引き際かとも考えていたが、中医協をめぐる問題など情勢は複雑化している。あまり動かない方がよいだろうとも考え、指名を受けることにした」と率直な所感を表わした。
 医療制度改革や診療報酬・介護報酬同時改定を控え、きわめて重要な1年となるという認識だけでなく、複雑な局面を迎える中医協委員としての情勢判断をも踏まえた、強い覚悟をにじませた受諾挨拶となった。


■ 佐々会長
根拠ある診療報酬を。健全な病院経営環境を求める
第84回定期代議員会 佐々会長の冒頭挨拶(要旨)
 当協会は、安全で質の高い医療を、医療人が誇りと達成感をもって国民に提供できる環境整備を行なうという理念を実現するために、医療現場の実態を反映したデータの収集に努め、客観的な分析を行ない、病院と全日病のあり方、医療提供体制の進むべき方向について議論を重ね、その成果を内外に示してきた。
 とくに、「病院のあり方に関する報告書」は15年4月の「医療提供体制の改革のビジョン(案)」、また、同年3月に閣議決定された「医療保険制度体系および診療報酬体系に関する基本方針」にかなりの影響を与えた。
 しかし、現実は、医療提供者や国民・患者に負担を強いる財政優先の改革が行なわれ、医療費の総額管理の議論が行なわれている。高齢化が進めば医療費の自然増があるのは当然である。ただ、効率化を図って医療費を抑えていく努力は我々にも必要であると考える。
 昨年5月を対象にした当協会の病院経営調査によると、一般病床の総収支率は99.1%、中でも東京の病院全体は99.4%というマイナスに、しかも、40%の病院が赤字という深刻な状態にある。
 医療の質向上や安全に努力している病院ほど、とくに急性期医療を行なっている病院ほど、経営が悪化している。この状況が続けば、民間とくに大都市の一般病院が消滅することが危惧される。
 これで国民・患者の健康と生命を守ることができるだろうか。我々は声を大にして、病院が健全経営を可能にする環境を整えるよう訴えていかなければならない。
 18年4月には同時改定が行なわれる。従来はエビデンスにもとづかない改定が重ねられてきたが、当協会は、データとエビデンスにもとづいた診療報酬体系にすべきであると主張し続けてきた。
 15年7月に中医協に4つの分科会からなる診療報酬調査専門組織が設置された。客観的な調査分析にもとづいた診療報酬改定が行なわれることを期待したい。

佐々英達会長
▲四選なった佐々英達会長
(2005年4月1日号)

【用語の説明】
●「病院のあり方報告書」を初めとする数々の成果
 1999年3月に誕生した佐々執行部が、3期6年にわたる本会運営で取り組んできた主な活動は、1.「病院のあり方に関する報告書」(2000年版、2002年版、2004年版)作成における会員病院に対する進路選択に関わる助言および医療提供体制・診療報酬に関する総括的な提言、2.積極的な調査活動(3次にわたる「医療行為別の費用・在院期間調査」、「在院期間別の医療・介護必要性調査」、病棟機能調査、医療従事者給与調査、医師引揚実態調査、「介護報酬改定等状況把握アンケート」、亜急性期患者実態調査、病院経営調査における定点観測など)、3.医療の標準化と質向上に関する会員への支援(「標準的診療録作成の手引き」や「クリニカル・パス(理論篇・実践篇)」の書籍発行、コーディング講習会、DPC講習会、病院情報システムの基本要件検討プロジェクトなど)、4.病院運営に関する会員への支援(病院理念・行動基準案、病院ホームページ作成支援事業、会員病院ホームページ検索サービス、病院事務長研修と病院管理士養成、機能評価受審支援相談事業、個人情報保護法関連資料など)、5.東京都病院協会と協同した診療アウトカム調査、6.具体的な提言(地域一般病棟、医療経済実態調査のキャッシュフロー項目、質と安全に関するコスト試算など)、7.四病院団体協議会の諸活動、など多岐にわたります。
 とくに、ケースミックス分析の実施、ケースミックスを反映したデータにもとづいた診療報酬、ケアの継続した提供体制(Continuum Care)、医療必要度の導入、亜急性期医療などに関するコンセプトと方法論などは、第5次医療法改正と診療報酬改革に向けた厚労省の施策理論に少なからぬ影響を与えています。
 なお、佐々執行部が行なってきた重要な活動は、「病院のあり方に関する報告書2004年版」末尾所収の資料2・3に整理されています。「病院のあり方に関する報告書2004年版」は、当協会(全日病)のホームページからダウンロードできます。
【参考】
 平成14年1月1日号の記事No.4の「用語の説明:現在までの全日病の、委員会を中心とした活動の流れとデータ整備の取り組み」
 平成14年4月15日号の記事No.6の「用語の説明:『医療行為別費用・在院期間調査』など継続したデータ収集と提言作業」
 2003年1月1日号の記事No.2の「用語の説明:私どもは、急性期には疾病別・状態別の1入院定額制、慢性疾患には状態別の1日当たり定額制とケースミックスを取り入れた主張をしてきています」
 2003年10月1日号の記事No.1の「用語の説明:医療と病院組織の質向上への取り組みを促す」
 2004年1月1日号の記事No.1の「用語の説明:全日病としては今後も独自の調査を行なう予定」
 2004年6月15日号の記事No.1の「用語の説明:我々は、以前からデータに基づいた診療報酬を築くべきであると主張し続けてきた。」
 2004年6月15日号の記事No.1の「用語の説明:例えば、昨年3月に閣議決定された『診療報酬に関する基本方針』あるいは昨年4月に発表された厚労省の『医療提供体制の改革ビジョン(案)』などに、全日病の『病院のあり方委員会報告書』等で提言している考え方が強く反映されている。」

●複雑な局面を迎える中医協
 2005年4月1日号の記事No.10の「用語の説明:中医協改革」を参照

●「病院のあり方に関する報告書」は15年4月の「医療提供体制の改革のビジョン(案)」、また、同年3月に閣議決定された「医療保険制度体系および診療報酬体系に関する基本方針」にかなりの影響を与えた。
 第4版を重ねた、当協会(全日病)による病院医療と医療制度に関する提言レポートである「病院のあり方に関する報告書」が厚生労働省に与えた影響と、その結果、各種施策に反映された内容については、「病院のあり方に関する報告書2004年版」末尾所収の資料1(これまでの「病院のあり方に関する報告書」にて示した医療制度改革に対する提言とその結果)にまとめられています。
 「病院のあり方に関する報告書2004年版」は、当協会(全日病)のホームページからダウンロードできます。
 本ダイジェスト版に関しては、前者(「医療提供体制の改革のビジョン(案)」)については2003年5月1日号No.2同6月1日号No.42004年1月1日号No.6の各記事を参照。
 後者(「診療報酬体系に関する基本方針」)については、2003年4月1日号の記事No.1の「用語の説明:診療報酬の見直しは、我々が以前より提言していたことにかなり近いものがあり、方向としては評価できる」あるいは同6月15日号の記事No.1の「用語の説明:これは以前から『病院のあり方報告書』などで提言してきたことであり、我々の主張が反映されていると考える。」をそれぞれ参照。
【参考】
 2004年6月15日号の記事No.1の「用語の説明:例えば、昨年3月に閣議決定された『診療報酬に関する基本方針』あるいは昨年4月に発表された厚労省の『医療提供体制の改革ビジョン(案)』などに、全日病の『病院のあり方委員会報告書』等で提言している考え方が強く反映されている。」

●医療費の総額管理の議論
 2005年3月15日号の記事No.5の「用語の説明:医療費総枠管理」および同「用語の説明:(経済財政諮問会議などから)給付費の伸び率をGDPの伸び率以下に抑制する考え方が提案されている。」をともに参照
【参考】
 2003年12月1日号の記事No.1の「用語の説明:標準的な給付量あるいは給付の伸び率を設定する総額管理あるいは伸び率管理方式」
 2005年3月15日号の記事No.5の「用語の説明:かつて(01年9月の医療制度改革試案)我々も、老人医療費の伸び率を抑制する案を考えたことがある」

●昨年5月を対象にした当協会の病院経営調査によると、一般病床の総収支率は99.1%、中でも東京の病院全体は99.4%というマイナスに、しかも、40%の病院が赤字という深刻な状態にある。
 2004年12月1日号No.1を参照

●当協会は、データとエビデンスにもとづいた診療報酬体系にすべきであると主張し続けてきた。
 2003年12月15日号の記事No.7の「用語の説明:データにもとづいて医療提供と診療コスト評価の各体制づくりを提言しつづけてきた当協会」および2004年6月15日号の記事No.1の「用語の説明:我々は、以前からデータに基づいた診療報酬を築くべきであると主張し続けてきた。」をともに参照

●診療報酬調査専門組織
 2003年7月1日号の記事No.4の記事を参照 
【参考】
 2003年7月15日号の記事No.1の「用語の説明:診療報酬調査専門組織が実施するデータ収集調査」

[ 2005年4月1日「全日病ニュース」から ]記事No. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 
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