全日病ニュース

全日病ニュース

社会保障制度改革国民会議 国保の都道府県化へ各論議論を進めることで一致

社会保障制度改革国民会議
国保の都道府県化へ各論議論を進めることで一致

 

 6月10日の社会保障制度改革国民会議は、「さらに議論すべき事項①」として、国民健康保険制度の課題、被用者保険・高齢者医療制度の課題、医療提供体制の3つをテーマに、医療・介護に関する2巡目の議論を行なった。
 医療提供体制では、(1)医療提供体制の重点化・効率化と機能分化・連携、(2)都道府県の権限、(3)医療関連データの収集・分析等の3点をとりあげた。
 その中で、「機能分化を推進するための仕組み」として、医療機関による医療機能の報告→地域医療ビジョンの策定→都道府県による機能分化の支援(補助金の活用。診療報酬の活用も検討)のフローを示し、「地域ごとの診療報酬の特例」「保険医療機関の指定・取消権限」等のツールについて説明した。
 この日の国民会議は、国保の都道府県単位運営に向けた具体的な課題の検討を進めていくことで一致した。

 

地域包括ケアの現状と施策に厳しい見方も

 6月13日の社会保障制度改革国民会議は、「さらに議論すべき事項②」として、(1)地域包括ケアシステム等介護提供体制のあり方、(2)健康の維持増進・疾病予防に向けた取り組み、(3)療養範囲の適正化など医療給付の重点化等、(4)介護サービスの範囲の適正化等を取り上げ、議論を行なった。
 地域包括ケアの重要性は共有されているものの、委員からは「その具体的なイメージがわかない」「ピンとこない」など、地域包括ケアの議論と施策が抽象の域を出ていないとの厳しい批判がなされた。
 会見で清家会長(慶応義塾長)は「本日の議論で特段の合意点はなかった」と説明した。
 医療介護の議論は次回以降も行なわれ、総合医やフリーアクセスなどのあり方が議論される。