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ホーム全日病ニュース第804回/2013年7月1日号「経済財政運営と改革の基本方針」...

「経済財政運営と改革の基本方針」等が閣議決定 財務省が医療法人制度改正を提起

「経済財政運営と改革の基本方針」等が閣議決定
財務省が医療法人制度改正を提起

 

 政府は6月14日、「経済財政運営と改革の基本方針」「日本再興戦略」および「規制改革実施計画」を閣議決定した。また、官房長官を含む9大臣の申し合わせとして「健康・医療戦略」を決定した。
 2014年度政府予算編成の指針となる「経済財政運営と改革の基本方針」は、「全国420万の中小企業・小規模事業者」を経済活力の源泉とすべく、「参入障壁の低減による医療、環境分野等新たな成長分野への進出促進」を謳った。
 歳出の重点化・効率化の中で「目指すべき社会保障の規模は中福祉・中負担」という方向性を明示。「医療・介護分野でのICTビッグバン」「地域の構造変化に対応した医療・介護の提供体制の再構築」「社会保障・税一体改革の推進」などを政策理念にかかげた。
 財政運営に関連した医療・介護の課題・目標に目新しいことは盛り込まれていないが、医療提供体制改革の中で「医療法人間の合併や権利の移転等に関する制度改正を検討する」とした点が、財務省の視点として注目される。
 「規制改革実施計画」では、「経済再生に即効性をもつ規制改革、緊急度の高い規制改革から優先的に検討」する視点から、①再生医療、②医療機器、③一般健康食品の機能性表示、④医療のICT化の規制改革に重点的に取り組む考えを具体化している。
 「日本再興戦略」は健康長寿産業を戦略的分野に位置づけ、2020年に健康増進・予防、生活支援関連産業の市場規模を10兆円(現在4兆円)に、医薬品、医療機器、再生医療の医療関連産業を16兆円(現在12兆円)に拡大するとした。
 そのため、①日本版NIHの創設(次期通常国会に法案提出)、②先進医療の対象を大幅拡大するために外部機関等による専門評価体制を創設して評価の迅速化・効率化を図る(最先端医療迅速評価制度=先進医療ハイウェイ構想:本年秋を目途に抗がん剤から開始)、③レセプト等電子データの活用、地域におけるカルテ・介護情報の共有、ナショナルデータベースの積極的活用(とくにすべての健保組合等にレセプトデータの分析・活用の事業計画策定を求める=健康保険法等に基づく厚労大臣指針を今年度中に改正)、などの措置を打ち出している。