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ホーム全日病ニュース第810回/2013年10月1日号厚労省 地域ケア会議で全国担当者会議を開催...

厚労省 地域ケア会議で全国担当者会議を開催

厚労省 地域ケア会議で全国担当者会議を開催

地域ケア会議開催率は77%。法的位置づけを前に意識改革を促す

 厚労省老健局は9月20日に「地域ケア会議推進に係る全国担当者会議」を開催、全国の都道府県と市区町村から集まった介護保険担当者約300人に、「地域ケア会議は市町村が地域包括ケアを構築していく上で大変重要な会議である」(朝川振興課長)と、地域ケア会議の開催と活用を呼びかけた。
 地域ケア会議は、元々は、多職種協働にもとづく個別ケースのケアマネジメントを支援する実務者レベルの会議であったが、2025年に向けて地域包括ケアの構築を進める中で、①具体的な課題に対処する個別レベルの会議、②日常生活圏全域にわたる地域課題への対応を協議する市区町村レベルの会議、さらには、③地域包括支援ネットワークの構築や政策形成の課題に対応する市区町村を超えたレベルの会議など、幾層にも重なる、要介護者・家族、介護・医療関係者、行政・住民などからなる会議体へと発展、地域包括ケア体制を支える有力なツールになりつつある。
 会議の開催主体は多くが地域包括支援センターであるが、市町村が開催することも少なくない。ただし、昨年6月に厚労省が行なった調査によると、「地域ケア会議を開催している」と回答した保険者は1,202と77%にとどまっている。
 会議の目的や機能などは、これまでは2012年3月29日の老健局高齢者支援課・振興課・老人保健課の3課長連名通知で示されてきたが、今年3月に「地域ケア会議運営マニュアル」が完成。現在、マニュアルの周知普及を進めながら、すべての市町村に地域ケア会議を根づかせるための取り組みが行なわれている。
 そうした介護現場や自治体の意識改革を急ぐのは、来年の法改正で地域ケア会議を介護保険法に位置づける方針があるからだ。
 初めて開催した地域ケア会議に関する全国担当者会議で、厚労省の担当官は、社会保障制度改革国民会議の提起を受け、「2015年に始まる第6期の介護保険事業計画は『地域包括ケア計画』と位置づける」と宣言。地域包括ケアを2025年までに構築していく上で、この第6期計画がターニングポイントになる」と指摘した。
 その上で、ミクロ(介護保険事業計画)とマクロ(個別のケアマネジメント)をつなぐのはニーズの「量的な把握」と「質的な把握」であり、地域ケア会議における事例検討・検証、利用者や関係者の声などを踏まえた政策への反映という質的把握のプロセスが第6期計画の鍵を握っていると述べ、地域ケア会議の重要性を訴えた。