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ホーム全日病ニュース第814回/2014年12月1日号2013年度臨床研修指導医講習会の報告...

2013年度臨床研修指導医講習会の報告:
「Myミニカリキュラム作成」で自院研修のSBO、方略、評価を作成

2013年度臨床研修指導医講習会の報告:「Myミニカリキュラム作成」で自院研修のSBO、方略、評価を作成

▲2013年度の指導医講習会

2013年度臨床研修指導医講習会の報告
「Myミニカリキュラム作成」で自院研修のSBO、方略、評価を作成

北澤医事課長が専門医制度と臨床研修見直しについて詳しく解説

 

2013年度臨床研修指導医講習会 チーフタスクフォース         
佐賀大学医学部附属病院卒後臨床研修センター 准教授 江村 正 

 全日病・医法協の「臨床研修指導医講習会」は2007年度から開始し、今年9回目を迎えた(2008~2009年度は年2回開催)。2013年度の受講者は31名(男性30名、女性1名)であった。
 2013年度の講習は、昨年の講習会後に今までの参加者全員にアンケート調査を行い、その結果を参考に、準備を進めた。また、今までの参加者の中からタスクフォースを募り、新たに2 名をタスクフォースに迎えて運営を行った。
 本講習会は会員病院の医師および管理者に、今まで以上に教育に目を向けてもらうことをコンセプトにしている。
 「より良い研修病院になるために―問題点を挙げる」「カリキュラム作成」「より良い研修病院になるために―問題点の解決策を考える―」の3つのワークショップを柱とし、その前後に、「医師臨床研修制度の概要」「今の研修医は卒前教育で何を学んでいるか」「臨床研修と地域医療」「情報交換会」「コーチング」「特別講演」を入れ、有機的に結びつくように工夫した。
 「医師臨床研修制度の概要」は、このテーマに関して最も詳しい厚生労働省医政局医事課長の北澤潤先生にお願いをした。臨床研修の見直しを中心に、専門医制度のことも含め、さまざまな情報を提供して頂いた。50分の講演以外に、質疑応答に25分と多大な時間をかけて、非常に丁寧に参加者の疑問に回答して頂いた。
 カリキュラム作成に関しては、初めての試みとして、目標、方略、評価作成まで作業が一通り終わってから、「Myミニカリキュラム作成」と題して、明日から自分の職場で使える、SBO、方略、評価を作成してもらった。
 医学部卒前教育の紹介は、PBL、TBL、OSCE、CBTといった医学教育用語の理解を深めてもらい、既に医学生ではない、研修医に何を修得させるかということを考えてもらうヒントとしてもらう目的で本年も取り入れた。
 また、医学部卒前・卒後の地域医療実習および地域医療研修に、会員病院が参画していく上での情報提供を行った。本年は、それに、研修医のうつ状態についても説明を行った。
 特別講演は、「研修医が研修病院に求めること」と題し、現在の医師臨床研修制度で研修を修了した3名の若手医師より、講演してもらった。
 参加者は皆、非常に熱心な討論を行い、問題点は非常に深く掘り下げられ、対応策も、表面的ではなく、実際に参加者のヒントになる十分練られたプロダクトであった。
 全日病・医法協の「臨床研修指導医講習会」は来年10回目を迎える。本講習会のコンセプトの見直しを含め検討し、より良い講習会にしていくつもりである。来年も11月に開催予定であるので、是非周りの人への参加を勧めて欲しい。