全日病ニュース

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第1回AMAT隊員養成研修に27病院(105人)

第1回AMAT隊員養成研修に27病院(105人)

2日間の講義と実技。受講者に隊員登録証、ベスト、ヘルメットを配布

 

 大規模災害における病院や救護所等に対する支援体制を整備するために、全日病は2013年度に災害医療支援活動体制の見直しを図り、各支部に「災害時医療支援活動指定病院」を指定したほか、災害時医療支援活動班として「AMAT」(All Japan Hospital Association MedicalAssistance Team)の編成に着手した。
 この医療チームの養成を目指す第1回研修会(2013年度AMAT隊員養成研修)が2月8日と9日に、救急・防災委員会(加納繁照委員長)の主催で開催された。49年ぶりの大雪という中、東京都内の会場(全日病本部)に、北海道から沖縄まで27病院(105人)が集まった。
 DMATやJMATなどと連携しつつ、技能的にはDMATに準ずる知識・技能を目指すAMAT研修は、医師を含む3人1チームによる受講が原則。会場には、医師、看護師とともに、薬剤師、栄養士、リハスタッフ、事務職員など多様な職種からなるチームが顔を揃えた。
 開会の挨拶を述べた神野正博副会長は、「3.11のときも医療チームを派遣した。
 今さら、なぜAMATなのかと訊ねる向きもある。しかし、大規模災害に立ち向かうには標準とルールが欠かせない。
 3.11には民間病院が後回しにされた。そうしたことへの反省から、仲間の病院を助ける体制を整えようという機運が生まれ、AMAT創設にいたった」と、AMAT誕生の意義と目的を明らかにした。
 「AMAT概論」「災害概論」「トリアージ」「災害時の情報通信」といった講義に加え、医療専門職には「トリアージ机上訓練・タグ記入」の実習が、業務調整員には「ロジスティクスの基本」「通信確保と衛星電話」という講義・実習が行なわれた。
 2日目は、「医療連携、関係機関の役割」「指定病院支援及び避難所をめぐる課題」「災害要援護者」の各講義に加え、「AMAT派遣シミュレーション」(実技)をこなし、全員が筆記と実技からなる試験を受けた。
 受講した会員病院には、もれなく、AMATの隊員登録証、ベスト、ヘルメットが支給されたが、閉会の挨拶を述べた加納繁照救急・防災委員会委員長は、「AMATが今後どう評価されるかは、皆さんの活躍いかんにかかっています。ぜひ、研修内容を各病院に持ち帰ってすぐれたチームの養成に努めていただきたい」とエールを送った。