全日病ニュース

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14年度は「設備人員は病棟単位、医療は病院単位」で報告

14年度は「設備人員は病棟単位、医療は病院単位」で報告

14年度は「設備人員は病棟単位、医療は病院単位」で報告

【病床機能報告制度】
枠組みで概ね合意。次期改定以降は電子レセで病棟単位の報告。報告項目は引き続き検討

 

 2月26日の「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」は、2014年度から施行される病床機能報告制度について、前回(12月27日)に引き続く「医療機関からの報告方法」をめぐる議論に加えて、「具体的な報告項目」の検討を開始した。
 事務局(厚労省医政局総務課)は、報告制度における報告事項は、(1)構造設備・人員配置等、(2)医療の具体的な内容の2つからなるとした。
 その上で、(1)のデータは医療機関から全国共通のサーバー(医政局が管理)に送られ、同省が集計・蓄積等運営した上で、都道府県に提供すると説明。
 (2)のデータについては、病棟コードを付記した電子レセプトをこれまでどおり審査支払機関に送り、審査支払機関からNDB(ナショナルデータベース)と同じサーバーに格納され、病棟ごとの医療内容に関する項目を全国共通のサーバー(医政局が管理)に送り、同省が集計・蓄積等運営を行ない、都道府県のデータ活用に供する、と解説した。
 このシステムで、NDBのサーバーに病棟コードが付記されたレセデータが格納されたことをもって、医療機関から都道府県に報告したものとして取り扱われる。
 また、病棟コードを付記した電子レセはあくまでも診療報酬請求明細書であり、病床機能報告制度関連のデータは、健康保険法等ではなく、医療法の位置づけになる。また、NDBと同じサーバーに格納されるなどNDBの枠組みを活用するが、病床機能情報収集の根拠や目的は、NDBの根拠法である高齢者医療確保法ではなく、医療法の規定にもとづくことになる。
 つまり、報告制度から得たデータは、NDBのデータと区分けされ、地域医療ビジョン策定等のためにのみ利用されることが担保されることになる。
 この仕組みの開始時期について、事務局は診療報酬改定にともなうシステム改修と併せて実施したいと提案した。
 その場合に、次期16年度改定と来年10月にあり得る10%引き上げに伴う消費税改定と、タイミングが2つある。
 事務局は「来年10月の消費税改定」を想定しているが、「結論は検討会で出すべき」というのが基本的スタンスだ。
 問題は、病棟単位の電子レセが活用できない14年度の対応をどうするかである。事務局は、「構造設備・人員配置等に関する項目は病棟単位で、医療の内容に関する項目は病院単位で報告する」案を提示した。
 その一方、14年度の報告データを用いて同年度中に地域医療ビジョンGLの検討を行なう日程が決まっているため、機能区分選択に資する病棟単位の定量的指標(基準)の検討を14年度から進められるよう、同年度の厚労科研で指標抽出の研究を行ないたいとも説明した。
 報告の開始については、今国会で法案が成立すれば報告制度は今年10月1日の施行となるため、構造設備・人員配置等は「7月1日現在の状況を10月1日~10月末日までに都道府県に報告」、医療の内容は「7月審査分レセデータをもって集計を行なう」と提案した。
 報告時期に関して、事務局は、開始当初は1ヵ月分とするが、安定したデータが望ましいことから「3ヵ月分のレセデータを集計することが好ましい」と考えている。この点について、この日の検討会で医療系の委員は、季節変動が大きい地方によってはどの季節をとるかでデータが大きく異なると主張、再検討を求めた。報告開始および報告対象の時期については、次回に再度議論する。
 最後に、事務局は、医療内容に関する具体的な報告項目の案を提示。「医療機能(現状、今後の方向性)」を初めとして、構造・設備・人員配置等の項目には各種病床数、職種別の職員数、算定する入院基本料・特定入院料などをあげた。
 一方、医療内容を表わす項目には、入棟前や退棟先の場所別を含む入院患者の動向、一定範囲の手術・処置の件数、以下診療報酬の算定項目を活用したインデックスとして、重症患者への対応、救急医療、合併症の管理、急性期を脱した患者の受入・在宅復帰への支援、リハビリ、長期療養患者の受入、重度の障害者等の受入などの案が並んだ。
 これらには、まだイメージの域を出ないものもあり、例えば、「病棟ごとの『主とする診療科』」など、病院によっては判断に悩む項目もある。
 この日の検討会は、報告時期を除く報告の仕組みを大筋で了承したが、具体的な報告項目に関しては細かな検討が必要ということで一致、引き続く検討を確認した。