全日病ニュース

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全日病の診療報酬改定説明会:「救急医療管理加算2」は患者実態踏まえ次回改定で検討

 

全日病の診療報酬改定説明会
「救急医療管理加算2」は患者実態踏まえ次回改定で検討

 全日病主催の2014年度診療報酬改定説明会が3月12日に東京都内で開かれ、約1,100人が参加した。

講演要旨は4月1日号に掲載。関連記事

 

 講師として招かれた厚生労働省保険局医療課の一戸和成課長補佐は、今改定の主要項目を整理した中医協・診療報酬調査専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」の事務方責任者。
 一体改革が描く医療介護提供体制の一里塚となった14年度改定を仕切った一戸補佐は、「2025年に向けて今後も改定が行なわれる。今回は主に7対1に手をつけたが、その結果があるべき方向に向かうものにならなければ、次またその次と、色々な誘導が図られていくだろう」と、工程表に沿った改革がさらに展開される今後を予測した。
 講演の中で同氏は手術の点数動向に言及。プラス評価が19項目にとどまったのに対して、マイナス評価が181項目にのぼったことを明らかにし、実質マイナスの14年度改定で手術が1つのターゲットとされたことを示唆した。
 特異な切り口となった薬価取引の妥結率を指標とした初再診料の減算を取り上げ、「今回は来年1月からの施行となるが、その次からは、9月の結果にもとづいて11月1日から実施される。
 50%を切ると、途中で改善されても減算は1年続く」と、注意を促した。
 今改定の特徴として、①経過措置の期間が概ね半年と短いこと、②人的配置を満たせば点がとれるという方式を避け、その結果の実績がともなわないと算定できないようにしていること、③答申附帯意見にあるように、次回改定で検証・結論出しとなる項目を明確にしたこと、④今改定でいくつかの考え方に決着をつけたこと、などをあげた。
 ③としては救急医療管理加算2と地域包括診療料を取り上げ、前者については「救急医療管理加算は“コ”を外して点数を半減させた。このデータを取って、“コ”とはどういう患者なのか、“コ”は本当にいるのかなどを次回改定の参考にしたい」と。
 後者についても、「地域包括診療料には要件が厳しすぎるなどのご意見があるが、どういう結果になるか、それをみて考えたい」と、主治医制に向かうスタートと位置づける認識を披露した。
 ④に関しては、1つに、面積計算は壁芯をやめて内法の測定とし、地域包括ケア病棟入院料の6.4m2から適用したことをあげた。内法は15年4月からはすべての面積計算に適用される。
 一方、(逆)紹介率の計算式に関しては、特定機能病院や地域医療支援病院の定義にもとづく考えを明らかにした。ただし、「基本的には医療法に準じたいが医政局の方針が改定前に確定しなかったため、とりあえず、初診の患者数から夜間休日とウオークインを外した」と釈明した。
 個別項目に関しては、とくに、(1)胃瘻造設評価の見直し、(2)地域包括診療料における服薬歴掌握と院内処方への取り組み、(3)多剤投与と長期処方の減算規定、(4)連携型の強化型在支(診)病の評価見直しなどを取り上げ、留意を求めた。
 一戸補佐は、最後に、「手術を初めとして新たな届出が必要なものが少なくない。気づかずに返還となったケースもある」と指摘。この4月1日から算定を行なうためには4月14日必着の届出が必要だが、締切日直前は届出が集中することが予想されるなど、できる限り早期の提出が望ましいと発言。
 「都道府県説明会で地方厚生(支)局にはできるだけ柔軟な対応を求めたが、現実には難しいだろう。各病院の対応をお願いしたい」と案じた。