全日病ニュース

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厚労省 都道府県に14年度中の設置を要請

厚労省
都道府県に14年度中の設置を要請

【全国医政関係主管課長会議】
医療勤務環境改善支援センターの要綱を提示。法は10月1日に施行

 

 3月3日の全国医政関係主管課長会議に、厚労省は、医療勤務環境改善支援センターに関する要綱を示し、支援センターの2014年度内の設置を要請した。
 支援センターは、各医療機関が医療従事者を確保する上で欠かせない勤務環境の改善措置を講じるとともに、それを都道府県が支援する枠組みの核となる機関。
 医療機関が勤務環境の改善措置を講じる努力義務と都道府県による支援の枠組みは、今国会に提出されている「地域医療介護総合確保法案」の医療法改正案に盛り込まれており、改正医療法における勤務環境改善に関する規定は14年10月1日の施行を予定している。

■「医療勤務環境改善支援センターの運営について」(概要)

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1. 趣旨と基本的な対応方針
 「地域医療介護総合確保法案」による改正後の医療法案には、①各医療機関の管理者が当該医療機関に勤務する医療従事者の勤務環境改善他の措置を講ずるよう努めるとともに、②都道府県は、各医療機関の勤務環境改善に対する支援を行うとともに、その拠点の確保に努める旨の規定が創設される。
 これらを踏まえ、各都道府県には、こうした支援を行う中核的な拠点機関「医療勤務環境改善支援センター」を設置していただきたい。
 なお、勤務環境改善に関する規定は2014年10月1日の施行を予定している。
 各都道府県は、14年度中に支援センターを設置いただくようお願いしたい。

2. 都道府県の責務と支援センターの設置形態
 都道府県は、勤務環境改善を促進する事務の全部又は一部について、厚生労働省令で定める者に委託することができる。施行日までに、医療に関する公益事業を実施する非営利法人等に委託可能である旨を定める。
 支援センターは、直営と委託いずれの場合にも、医療勤務環境改善支援センター運営協議会に、医師会、看護協会、病院団体、社会保険労務士会、医業経営コンサル協会、労働局等の関係団体・関係機関の参画を求めるなど、地域の主体的関与の下に運営されるよう配慮することが求められる。

3. 支援センターの事業内容
(1)勤務環境改善マネジメントシステムの活用促進
 厚労省は「指針」を策定するとともに、当該指針による取組等をわかりやすく解説する「手引き書」を策定する。指針は、施行日までに策定・公布され、手引き書は年度内にも公表する予定である。
 本システムは勤務環境が悪化した医療機関のみを対象とする制度ではなく、できる限り多くの医療機関を対象に、恒常的に勤務環境の改善と向上が図られるプロセスの実施を目指すものである。
(3)支援の実施体制
①医業経営アドバイザーの配置
 医業経営の専門知識を有するアドバイザーの配置が求められる。なお、医業経営アドバイザーの配置等には各都道府県に創設される「基金」を積極的に活用願いたい。
②医療労務管理アドバイザーの配置
 支援に当たっては、勤務シフトの見直し、労働時間管理、休暇取得促進、就業規則の策定・改廃、賃金制度の設計、安全衛生管理や福利厚生など労務管理面全般にわたる相談支援が不可欠となることから、社会保険労務士等の専門知識を有するアドバイザー(医療労務管理アドバイザー)の配置が求められる。
③地域の関係機関との連携体制の構築(運営協議会の活用等)
 支援センターによる支援を効果的に実施するためには、都道府県が、支援センターと地域の医療等に関わる関係者による連携体制を構築することが不可欠となる。
 そのため、医療勤務環境改善支援センター運営協議会等の場を活用するなどして、都道府県の医師会、看護師会、病院協会、社会保険労務士会、医業経営コンサルタント協会や都道府県労働局その他地域の実情に応じた関係機関との連携体制を構築することが求められる。

4. 医療勤務環境改善支援センター運営協議会
 医療機関の勤務環境改善を効果的に支援するためには、都道府県の主催の下、地域の関係者が連携して支援センターの運営を図ることが必要となる。このため、おおむね、次のメンバーを含む地域の実情に応じた構成により、医療勤務環境改善支援センター運営協議会を設置いただきたい。
・医師会、看護協会、病院団体等の地域の医療関係団体・社会保険労務士会、医業経営コンサルタント協会等支援を行う関係団体・労働局等の関係行政機関
・その他必要と判断する関係者医療勤務環境改善支援センター運営協議会は、新たに会議を設置する方法によるほか、地域の実情に応じた柔軟な方法を検討いただきたい。

6. その他の留意点
(1)医療機関の勤務環境改善に要する助成
 各都道府県に創設される「基金」は、支援センターの運営費のみならず、都道府県の判断により、勤務環境改善計画に基づく各医療機関の取組に対する助成にも活用することが可能であるので、積極的な活用を検討いただきたい。