全日病ニュース

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医療機関群 ⅡからⅢへは26病院、ⅢからⅡへは34病院。手術評価が影響

医療機関群
ⅡからⅢへは26病院、ⅢからⅡへは34病院。
手術評価が影響

【14年度改定におけるDPC】
機能評価係数Ⅱの最大格差係数は救急医療。救急医療管理加算2の新設が大きく影響

 

 3月26日の中医協総会に、事務局(厚労省保険局医療課)は、2014年度改定におけるDPC対応の結果を報告した(別掲)。それによると、この4月1日現在のDPC対象病院は1,585と前改定時より80病院増加、全病院の21.0%を占め、初めて20%を超えた。
 対象病院の36.8%(583病院)を200床未満が占め、100床未満は210病院にのぼっている。
 DPCを算定する病床は49万2,206で、一般病床(89万9,385)の54.7%を占めている。
 今回の見直しによって、基礎係数Ⅱ群の病院は90から99に増加した。また、機能評価係数Ⅱにおける最小値と最大値の係数格差は、救急医療が0.02602ともっとも開いた。救急医療管理加算2の新設が大きく影響しているとみられる。
 新設の後発医薬品も0.01544と大きく開いたが、約190病院で60%の目標値がクリアされている。
 DPCの今後の運営に関連して、事務局は「DPC/PDPS 傷病名コーディングテキスト」に言及し、「14年改定における診断群分類点数表の改定に応じた見直しを行なった上で、3月内に公開する」ことを明らかにした。

□2014年度改定におけるDPCの対応結果
●診療報酬改定(出来高報酬体系)の見直しの反映
・診断群分類点数表の集計に、入院料(一般病棟10対1)増点分の21点を反映。
・包括範囲の報酬水準の見直しとして、医療機関別係数(機能評価係数Ⅰを除く)の設定に、改定率(消費税増税分を除く)を反映(全体に0.9874を乗じる)。
・各診断群分類および各医療機関の包括範囲出来高実績に基づき、入院料、薬価等の各項目の消費税引上分に相当する額をDPC点数表と医療機関別係数の設定に反映。
●診断群分類点数表の改定
・診断群分類数は総計で2,873。うち包括対象のDPCは2,309。
・高額薬剤等に係る診断群分類は28。
●医療機関別係数の見直し
実績要件にもとづいて全DPC病院をⅠ群~Ⅲ群として設定し、群別に基礎係数を設定。
Ⅰ群の病院 80(基礎係数1.1351)
Ⅱ群の病院 99(基礎係数1.0629)
Ⅲ群の病院1,406(基礎係数1.0276)
*(編集部注)Ⅱ群→Ⅲ群は26病院、Ⅲ群→Ⅱ群は34病院、準備病院→Ⅱ群は1病院。医療課によると、Ⅱ群とⅢ群との間の移行の理由は、一部は「実績要件2(医師研修の実施)」であるが、主には「実績要件3(高度な医療技術の実施)」であった。とくに、外保連試案の8版から8.2版への変更が大きく影響した。
●機能評価係数Ⅰ
・新設された「平均夜勤時間超過減算」「栄養管理体制減算」は、機能評価係数Ⅰとして評価。
・「患者サポート体制充実加算」は、一部患者ごとの評価が含まれるため、機能評価係数。の評価対象外とした。
●機能評価係数Ⅱ
・救急医療係数は、救急医療管理加算の見直しに合わせ、加算2に相当する症例は加算1に相当する症例の半分の比重によって評価した。(係数Ⅱの分布表は下)
●激変緩和措置
調整係数の置き換えにともなう医療機関係数別の変動による診療報酬への影響をみると、135病院が-2.0%を下回り、82施設が+2.0%を上回った。これらについては、影響が2.0%を超えない範囲で暫定調整係数を調整した。

 

機能評価係数Ⅱの分布範囲