全日病ニュース

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5年めどに死亡時画像診断のマニュアル。専門機関整備は努力目標

死因究明等推進計画検討会最終報告書
5年めどに死亡時画像診断のマニュアル。
専門機関整備は努力目標

 

 内閣府に設置された死因究明等推進計画検討会は死因不明遺体の死因究明と身元確認等の体制を整備する施策に関する最終報告をとりまとめ、4月24日に公表、4月25日に意見募集(5月9日締切)に付した。最終報告の内容は死因究明等推進計画として閣議決定される予定だ。
 死因究明等推進計画検討会は、2012年に制定された死因究明等の推進に関する法律にもとづき、死因究明等の推進に関する法制上・財政上の措置等を定める死因究明等推進計画案を作成するために、同年9月に設置された。
 推進法は、死因究明等の推進に関して講じるべき重点施策として、①死因究明を行なう専門機関の全国的整備、②死因究明等の業務に携わる警察等職員、医師、歯科医師等の育成、③死体の検案及び解剖の実施体制の充実、④薬物・毒物の検査や死亡時画像診断等死因究明のための科学的調査の活用などの8項目をあげている。
 最終報告は、前出の8項目にそった検討結果を整理したものだが、全体として方向性の提示にとどまり、より踏み込んだ具体的施策は引き続く検討課題とされた。
 その中で、死因究明等に携わる人材養成に関しては、①臨床研修病院等に、死亡診断書(死体検案書)記入マニュアルの活用を含めた、到達目標の周知徹底を図る、②医師を対象にした死体検案研修の充実を図り、5年後を目途に、原則、当該研修を修了した医師が警察等の検視・調査への立会い・検案を実施できるようにしていく、ことなどが盛り込まれた。
 死亡時画像診断については、厚労省の異状死死因究明支援事業や医療機関における小児死亡例の画像診断情報のモデル収集・分析等によって結果を検証、その結果を踏まえて、「5年後を目途に、日本医師会内の検討会において、死亡時画像診断全体の在り方を含めた検案する医師の参考となるマニュアルを作成していく」とした。
 一方、死因究明を行なう専門的機関の整備に関しては、関係機関・団体等が協議する場(死因究明等推進協議会=仮称)の設置を求めるとともに、「専門的機能を有する体制の整備に向けて努力するよう求める」と提言するにとどまった。