全日病ニュース

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全日病「医師の就業動向調査」:臨床研修修了者で私的病院勤務割合が増加

全日病「医師の就業動向調査」
臨床研修修了者で私的病院勤務割合が増加

 

 全日病が実施した「医師の就業動向調査」に関する報告がまとまり、4月19日の常任理事会に報告された。
 各病院における医師確保の努力に資する情報として医師の就業プロセスの実態を把握する目的で、病院のあり方委員会(徳田禎久委員長)が、2012年秋に全会員病院を対象に実施したもの。
 病院の回答数は358(14.6%)、医師からは3,915名の回答を得た。調査結果と分析の要旨は以下のとおり。
(1)卒後1年~10年目に約50%の医師が「教室派遣」を理由に就業先を変更し、主に「医育機関」「公的病院」に勤務していた。
(2)卒後11年目以降は「教室派遣」によって就業先を変更する割合が徐々に減り、「就業条件」「開業・事業継承」「子供の教育以外の家庭事情」を理由に就業先を変更する割合が徐々に増加した。
(3)その結果、「医育機関」と「公的病院」に勤務する割合が徐々に減少し、「私的病院」に勤務する医師が増加した。
(4)ただし、35歳以上の医師の約50%は「教室派遣」を理由として勤務施設を変更しており、「医育機関」や「公的病院」で勤務していた。
(5)一方、34歳以下の医師は「教室派遣」だけでなく「キャリアアップ」を理由として就業先を変更しており、勤務先も「医育機関」だけでなく「私的病院」で勤務する割合が増加している。
 理由として、卒後臨床研修制度により市中病院等で研修を行うことが可能となったため、キャリアアップ等を目的として私的病院で勤務をする割合が高くなったことが考えられる。
(6)卒後年数別に就業先の変更回数を算出したが、性別、子供の有無、配偶者の有無による違いは見られなかった。