全日病ニュース

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骨太方針に「薬価の毎年改定」。田村厚労大臣は否定的

骨太方針に「薬価の毎年改定」。田村厚労大臣は否定的

 6月9日に開催された経済財政諮問会議は2014年の骨太方針の素案について議論した。
 「経済財政運営と改革の基本方針2014(仮称)」と題された骨太方針の骨子案に、医療・介護は、「主な歳出分野における重点化・効率化の考え方」の「社会保障改革」に、「医療・介護を中心に社会保障給付を効率化・適正化。その際、先進的に取り組んでいる地域の事例を横展開。特に、医療・介護提供体制の適正化、保険者機能の強化と予防・健康管理、介護報酬改定の取組、薬価の適正化、年金給付のあり方の検討、生活保護の適正化等に取り組む」と書き込まれた。
 この中の「薬価の適正化」について、会議後の記者会見で甘利内閣府特命担当大臣は薬価の毎年改定を意味することを認め、「市場価格に公定価格をできるだけ早く近づけるということは、大事なことである。関係団体からの反対意見も出されているようだが、取り組んでいかなければならないと思っている」という認識を表明した。
 「薬価の毎年改定」は財政審が5月27日にまとめた「財政健全化に向けた基本的考え方」で取り上げられ、骨太方針に盛り込まれた。
 財政審の「基本的考え方」に明記されたことについて、田村厚生労働大臣は6月3日の記者会見で、「かなり煩雑になる上、正確に実勢価格が把握できるかという問題がある。これに対しては我々はかなり不安がある。そういうことも踏まえると、私はかなり難しいのではないかと率直な疑問はある。財政審が求めている効果が得られるのか疑問がある。今の私の感覚では難しいと思う」と否定的な考えを示した。
 その上で、「有効でなければ盛り込むというわけにはいかない。それも含めて、我が省でできるのかできないのか一応検討したい」と述べ、厚生労働省として検討せざるを得ないとの認識を表わした。