全日病ニュース

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年内の結論へ、次々回からとりまとめに向けた議論

年内の結論へ、次々回からとりまとめに向けた議論

【医療法人業展開等に関する検討会】
新型法人創設以外にも、ガバナンス、社会医療法人の要件、医療法人分割等と目白押し

 医療法人の事業展開等に関する検討会が2ヵ月半ぶりに開かれた。議論に先立ち、事務局(厚労省医政局医療経営支援課)は、日本再興戦略等で年内に結論が求められている課題を提示、議論を並行させて、年内とりまとめを目指す意向を表明した。
 具体的には、(1)非営利ホールディングカンパニー型法人制度(仮称)の創設、(2)医療法人の透明性の確保とガバナンスの強化(外部監査の義務化、MS法人との関係の適正化、財務諸表公告の義務化、医療法人会計基準の法令化、理事長と理事の責任範囲の明確化)、(3)社会医療法人の認定要件の見直し、(4)医療法人の分割の4点をあげた。
 このうち、「外部監査の義務化」と「財務諸表公告の義務化」は一定レベルの医療法人を想定し、とくに、財務諸表の公告は社会医療法人を含めて検討する。
 「理事長と理事の責任範囲の明確化」は、①法令、定款、社員総会決議に対する忠実義務、②競業および利益相反取引の制限、③社員に対する報告義務、④損害賠償責任がテーマとなる。
 「社会医療法人の認定要件の見直し」は「全国一律ではなく、地域の実情を踏まえた要件とする」ことが課題になる。
 事務局は、いくつかの県から、例えば、複数県にまたがって医療施設をもつ場合に施設が集中している県をもって認可を判断することや、「へき地医療への支援実績」の対象を現行の診療所のみから病院を含むへき地医療機関に拡大することなど、具体的な見直しを求める要望があがっていることを紹介、多面的に考える必要を示唆した。
 この日は主に非営利ホールディングカンパニー型法人の議論に時間をかけたが、委員には賛否よりも質問や具体的イメージをたずねる向きが多く、議論集約の難しさがうかがわれた。
 「透明性の確保とガバナンスの強化」および「社会医療法人の認定要件」に関しては駆け足的な議論で終わった。
 事務局は次回10月上旬の会合で各論の議論を一巡させ、11月以降、意見集約に入っていきたいとしている。(詳細は次号に掲載)