全日病ニュース

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患者申出療養 「先進医療を身近な機関で希望する患者」を対象に追加

【中医協総会】

患者申出療養 「先進医療を身近な機関で希望する患者」を対象に追加

 12月3日の中医協総会に、事務局(厚労省保険局医療課)は「患者申出療養の対象となる医療のイメージ」に、新たに「既に実施されている先進医療を身近な機関ですることを希望する患者に対する療養」を追加する考えを示し、了承を得た。
 「患者申出療養」の枠組は11月5日の中医協総会で承認を得た後、11月7日の社会保障審議会医療保険部会でも承認を受け、厚労省は現在、次期通常国会に提出する健保法等関連法案の作成を進めている。
 11月5日に示された「患者申出療養の対象医療(イメージ)」は次のとおり。
①先進医療の実施計画(適格基準)対象外患者に対する療養-対象年齢外の患者、病期の進んだ患者合併症を有する等
②先進医療として実施されいない療養-一部の国内未承認・海外医薬品等使用、実施計画が作成されていない技術等
③現在行なわれている治験の対象とならない患者に対する治験薬等の使用-治験の枠組み内での柔軟な運用(日本版コンパッショネートユース)では対応できない患者
 今回の修正によって、前出の3点に「既に実施されている先進医療を身近な機関ですることを希望する患者に対する療養」が追加された。
 11月5日の総会に示された事務局案(前出の①~③)に対して、診療側中川委員(日医副会長)は、「患者申出療養を一番求めているのは、先進医療を希望しているのにその実施医療機関が近場にない患者ではないか」と指摘し、こうした患者に対する療養を対象に加えるよう求めた。
 同委員は、また、「多くの先進医療は1桁の数の医療機関でしか実施されていない。患者申出療養の枠組で実施されるようになれば、希望する患者が増えて先進医療の症例も積み重なる。結果として保険適用が早まるのではないか」という認識を披露した。
 中川委員の考え方に、唐澤保険局長は「今のご指摘は、患者申出療養が先進医療普及の契機になるというものだ」とに賛同し、前出の3点に追記する意向を表明した。
 その結果、①に示された「既存の各先進医療の対象から外れた患者」とは別に、「既存各先進医療を行なっている医療機関に通えない地方在住の患者等」も同制度の対象となることが決まった。