全日病ニュース

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女性医師の勤務環境改善へ提言

女性医師の勤務環境改善へ提言

 厚生労働省に設置された「女性医師のさらなる活躍を応援する懇談会」は、12月5日に、女性医師が働きやすい環境整備に向けた課題と取り組みの方向性をまとめた報告書案を了承した。
 報告書には、医師に占める女性の割合が増加の一途をたどっている中、出産・育児というライフステージを抱える女性医師が就業放棄に追い込まれることがないような環境を整えるために、医学部(卒前教育)、臨床研修、医療現場、専門医など、キャリアアップしていくステージごとに考慮されるべき課題を整理するとともに取り組み内容の事例・例示が盛り込まれた。
 病院に関しては、妊娠・育児中の女性医師に配慮した柔軟な勤務形態として、短時間正規雇用、交替勤務制、当直や時間外勤務への配慮をあげるとともに“複数主治医制”の導入を提案、さらには専門医資格の更新に際しても基準適用への配慮の必要を提起している。
 同懇談会は、「日本再興戦略改訂2014」の中に「女性医師が働きやすい環境の整備」が明記されたことを受けて設置された。厚生労働省の村木厚子事務次官が主催、かつ、村木事務次官自らも出席する異例の懇談会となった。
 病院団体からは全日病の西澤会長が構成員に参加。10月3日の日の会合で、会員の2病院が進めている女性医師の勤務環境改善活動事例を紹介している。
 臨時国会で審議未了となった「女性が活躍できる社会環境整備推進法案」は次の通常国会に提出される見込みで、成立すると、医療機関を含むあらゆる企業は勤務実態や管理職への登用状況などを数値化・公表し、環境改善に取り組むことが義務化される。
 そうした意味から、この報告書は、同法を踏まえた関連施策の原典となる可能性もある。