全日病ニュース

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セミナーは今後も継続。タイムリーなテーマを臨機応変に企画

【正副会長座談会激動の医療改革に果すべき全日病の役割―「2025年に生き残るための経営セミナー」中間総括】

セミナーは今後も継続。タイムリーなテーマを臨機応変に企画

「地域包括ケアに向け、参加病院は地域の機能分化・連携の中心になる」ことを期待

地域包括ケア病棟は重要テーマ。医療事故調査GLも企画対象

神野 事故調査制度は近々ガイドライン案がまとまろうとしています。非常に病院の関心事ですので、ある程度の流れができた時点で、1回セミナーを実施したほうがいいのではないでしょうか。
西澤 それはすぐに計画したいですね。
猪口 地域包括ケア病棟(病床)の届出状況に関してはアンケート調査を実施していますから、その集計をまって、また、セミナーを打つ必要があるのではないでしょうか。
西澤 分かりました。調査結果を基に、地域包括ケア病棟(病床)をどう考えるか、また、実際にどうやっているかということを全日病としてきちんと示していく責任があると思います。恐らく、会員病院の3分の1以上が関係してくるのではないでしょうか。そういう病院を中心に、研修をやるだけではなく、具体的な声を聞きながら、この病棟を今後きちっとしたものに育てていくという立場から、セミナーを企画できればと思います。
 それ以外のテーマについても、理事等の役員や委員会からも希望をうかがいながら、新しい課題を含め、臨機応変に企画していきましょう。
安藤 例えば病床機能の組み合わせとか、地域で成功している病院の話も非常に参考になると思います。そういう成功事例のセミナーもあってもいいですね。
西澤 確かに、このセミナーは双方向だと思います。我々が一方的に情報を提供するというのではなく、参加した各病院が様々な事例をもちよりながら考えていただく、その中から新しい試みが出てきたら、それをまたフィードバックしていただくという、そういう展開になっていくと会員病院にも非常に参考になるのではないかと思います。
 さらに言えば、そこから、全日病が今後何をしなければならないかということも見えてくるのかなと思います。そういう意味からは、同じテーマを様々な角度から深めていくシリーズ物もありかなと思いますね。
 いろいろな改革が同時進行しています。この改革の全体像を示すというのは1回や2回では無理でしょうが、どういうテーマをどう企画すれば、病院のトップだけでなく、医師や事務長を初めとする現場の皆さんに喜んでいただけるのか、私もそれなりに期待感をもって今後に臨んでいきたいと思っています。ぜひ我々正副会長が中心になって、役員の皆さんの協力を得ながら、この「2025年に生き残るための経営セミナー」を継続、かつ、成功させていきましょう。

改革内容を認識していない病院が多い。参加病院に啓発を期待

猪口 先日久しぶりに地元の医師会の病院部会に顔を出したのですが、驚いたのは、例えば地域医療ビジョン1つとっても、具体的な内容があまり知られていないんです。そこで、私なりに説明していくうちに、では部会でちゃんと説明をしろということになって、仕事が増えてしまいましたが。(笑)しかし、これはまずいと思いましたね。
神野 地域の医師会の病院関係の皆さんは、診療報酬に関しては詳しいけれど、意外に、医療制度のことはご存知ないですね。
安藤 私の地元医師会の病院部会も同じで、八王子市内だけでも4病院が地域包括ケア病棟を届け出ていますが、地域包括ケア病棟が創設されたことがまだ十分に浸透していないようです。
西澤 今回の「経営セミナー」に参加してくれた病院は、今後の病院の舵取りに積極的な気持ちを持っている病院だと思うのです。であればこそ、このセミナーで、新たな触発と認識を得てもらって、地域に戻ってから、そういう情勢認識やいい意味の危機感、あるいは全国でがんばっている病院の創意工夫というものを伝達してくれるといいですね。
   言い方を変えますと、これからの地域包括ケアの中心となる病院として、地域の中で病々連携や病診連携さらには介護との連携の中心となって、地域における真の機能分化・連携の主役になってもらいたいものです。もちろん、全日病として、そういう病院をさらに力強く支援していきたいと思います。