全日病ニュース

全日病ニュース

重要論点に不一致点を残す。厚労省は次回まとめを期待

【医療事故調査制度の施行に係る検討会】

重要論点に不一致点を残す。厚労省は次回まとめを期待

 2月5日の「医療事故調査制度の施行に係る検討会」は、まず、医療機関が行なう事故調査を省令・通知にどう書き込むかについて議論した。
 院内調査の調査項目はこれまでにおおむね合意が得られているため、この日は、調査報告の記載事項が焦点となったが、事務局(厚労省医政局総務課医療安全推進室)提案のうち、「管理者が講ずる再発防止策は記載する」という点に反対する意見が出たため、結論は次回に持ち込まれた。
 調査報告の遺族への説明に書面を用いるか否かについても、一部から「書面は不要」との声があがり、一致には至らなかった。
 センター調査のあり方をめぐっても、再発防止策の記載をめぐって同様の反対意見が示されるなど、意見の一致をみることはなかった。
 1月14日の検討会は「医療事故の定義」について議論したが、ここでも、医療事故の範囲を狭く捉える構成員と、管理領域を含めた対象事案から、管理者が原因究明と再発防止が求められる事故とみなすかどうか判断すべきと考える構成員との間で、意見違いが残った。
 事務局は次回会合での合意を望んでいるが、いくつかの重要な論点で考え方の乖離がみられるため、とりまとめとなるか、予断を許さない状況にある。