全日病ニュース

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開設許可を指定都市に移譲。ただし、都道府県による条件付与には従う

開設許可を指定都市に移譲。ただし、都道府県による条件付与には従う

 2月23日の厚生労働関係部局長会議で、厚労省は、政府の「事務・権限の移譲等に関する見直し方針」(2013年12月20日閣議決定)にもとづいて、昨年の通常国会で関連法が成立し、この4月に施行が予定されている、①国から地方公共団体、②都道府県から指定都市への各種事務・権限の委譲のうち、医政局の所管事項を要旨以下のとおり説明した。
 いずれも、現在、政省令を整備する作業が進められている。
(1)二以上の都道府県の区域にわたる医療法人の監督等の権限の移譲
○二以上の都道府県の区域にわたる医療法人の監督等の権限を、主たる事務所の所在地の都道府県知事へ移譲する。
○主たる事務所の所在地以外の都道府県知事が、当該医療法人に対して適当な措置をとることが必要と認める場合には、主たる事務所の所在地の都道府県知事に対して、その旨の意見を述べることができる。
(2)医療関係職種の養成施設等の指定権限等の移譲
○看護師、理学療法士、作業療法士等医療関係職種等の、①養成施設の指定、②施設に関する変更の承認・届出、③養成施設指定の取消しに係る事務・権限を地方厚生局から都道府県に移譲する。(施行は4月1日を予定)
(3)国開設病院等の開設の承認権限等の移譲
○国の開設する病院等の開設承認・監督の事務を地方厚生局から都道府県等(診療所・助産所は保健所設置市等)に移譲する(構造設備基準・人員配置基準を満たす場合は都道府県知事は許可しなければならない)。
<留意事項>
○主務大臣から厚生労働大臣に対する病院の開設・増床等の事前協議や病院・診療所の専属薬剤師配置義務の例外は、引き続き設ける(国開設病院等の病床は、引き続き、公的医療機関に対する許可の制限や病床数の増加等に対する勧告の対象とはならない)。
○施設人員の増員又は業務停止命令、施設の使用制限命令等及び管理者の変更命令は、移譲後も引き続き、主務大臣に対する申出に留める。
(4)病院の開設許可等の権限移譲
○病院の開設許可及びそれに付随する事務(変更許可、休廃止届、開設許可取消等)を指定都市に移譲する。
○移譲に当たっては、閣議決定(2013年12月20日)を踏まえ、次の措置を講じる。
①病院の開設許可及び病床数等の変更指定都市の市長は、許可に際して、開設地の都道府県知事に同意を求めなければならない。
※病床数と病床種別以外の変更は、都道府県知事の同意は不要
※病院の開設・増床等の許可等は、仮に都道府県知事が医療計画の観点から同意をしない場合であっても、指定都市の市長は構造設備・人員配置等に関する基準を満たす限り、病院の開設・増床等の許可を与えなければならない。ただし、都道府県知事は当該同意をしなかった医療機関に勧告をすることができる。なお、公的医療機関等については、都道府県知事が同意をしなかったときは許可を与えない。
②地域医療構想の達成推進のための条件付き許可
 指定都市の市長は、病院の開設・増床等の許可に際し、都道府県知事から地域医療構想の達成推進のために必要な条件を付すよう求めがあったときは、当該条件を付すものとする。医療機関が当該条件に従わない場合、都道府県知事から、勧告、措置命令、公表の求めがあったときは、指定都市の市長はそれぞれに従うものとする。