全日病ニュース

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2025年に求められる看護部門管理者を育成

【看護管理士認定・更新制度の創設について】

2025年に求められる看護部門管理者を育成

看護管理 看護部門長研修の単位数を増加。認定条件を付して15年度より開始

 2015年度より、看護部門長研修において一定の評価を受けた受講者に「看護管理士」としての認定を与えることになった。
 看護部門長のマネジメント力強化のための研修として2005年より始まった「看護部門長研修コース」も本年度で第11回目を迎える。
 これまで、過去の受講生の声を反映させながらカリキュラムを継続的に更新するとともに、より実践的な能力を身につけることができるように内容の充実を図ってきた。
 看護師のほとんどが、医療・看護における専門的知識はもっていても、病院経営のマネジメントに関する基礎知識を学ぶ機会は少ない。
 この10年余り、病院を取り巻く環境は大きく変わり、さらに、これからは2025年を見据え、それぞれの病院のあり方そのものが問われる時代になる。
 このような時代にあって、医療の質を向上させながら健全な病院経営を継続するためには、病院組織内で最大の職員数を擁する看護部門のマネジメントは重要で、それを率いる看護部門長の役割は大きい。
 看護部門長には、医療制度改革や病院の経営的側面の理解、さらには、部門内の問題解決能力やコミュニケーション能力などの強化が求められる。
 研修は約3ヵ月(月1単位、全3単位)をかけて行われ、認定条件(後述)を満たせば「看護管理士」としての認定が得られる。
 研修カリキュラムは(別掲)は実践に則した内容であり、さらに、毎年フォローアップ研修などにより、日々変わる医療環境に即応した継続研修も行われる。
 研修の内容は、第1単位で自己紹介とグループワークを行い、本研修を共に学ぶ仲間と交流する機会を設けることによって、グループダイナミクスを活かして研修の効果と成果を高めることを目的としている。
 研修の核となる項目は問題解決であり、多くの時間を費やしながらグループワークを中心に、個々の施設環境や職位に直面している課題への取組みについて学びを深める。
 研修修了をもって認定に移行するのではなく、認定として位置付けるための研修内容の吟味や、研修修了のスキルを客観的に評価できる指標の必要性等を議論し、検討した。
 その結果、問題解決の個々の取組みとして、自己課題シートをさらに精度の高い内容で完成させることを認定の条件と位置づけ、本年度より研修期間を全日程9日間(3単位)へ改め、「看護管理士」認定制度を導入することにした。
 なお、2014年度(第10回)までの「看護部門長研修コース」の修了者については、2015年度以降の全日本病院学会への参加、もしくは、2015年度以降の医療従事者委員会主催のフォローアップ研修への参加などの要件を満たした者に、「看護管理士」の認定証を発行することにした。