全日病ニュース

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2014年度の概算医療費は40兆円寸前。国民医療費ベースでは大台突入

2014年度の概算医療費は40兆円寸前。国民医療費ベースでは大台突入

【医療費】
伸び率は鈍化の兆し。しかし、1人当たり医療費は依然増加基調

 厚労省が9月3日に発表した「2014年度医療費の動向」(概算医療費=速報値)によると、わが国の14年度の医療費は前年度から約0.7兆円(対前年度比1.8%)増え、39兆9,556円に達した。12年連続で過去最高を更新する増加となった。
 診療種類別の内訳は、入院16.0兆円(構成割合40.2%・対前年度比1.7%増)、入院外13.8兆円(34.5%・1.3%増)、歯科2.8兆円(7.0%・2.9%増)、調剤7.2兆円(18.0%・2.3%増)となった。
 概算医療費は医療保険・公費負担医療分の医療費を集計したもので、労災・全額自費等の費用は含まれず、国民医療費の約98%に相当する。したがって、14年度の国民医療費は40兆7,710億円と推計され、わが国の医療費が40兆円台に乗せたのはほぼ確実となった。
 前年度からの伸び率は10年度3.9%、11年度3.1%、12年度1.7%、13年度2.2%、14年度1.8%と鈍化の兆しをみせているが、1人当たり医療費は、同28.6万円、29.6万円、30.1万円、30.8万円と増加をたどり、14年度は過去最高の31.4万円となった。
 1人当たり医療費は、被用者保険に対して国民健康は2倍、75歳未満に対して75歳以上は4倍以上の水準で推移している。
 受診延日数は10年度の26.2日から14年度は25.6日と減少傾向にあるが、1日当たり医療費は同13.9千円から15.5千円へ増加した。
 14年度の概算医療費の構成割合は医科74.6%(29.8兆円)、歯科7.0%、保険薬局18.0%。概算医療費に占める病院の割合は53.4%(21.3兆円)で、医療機関種別にみると、法人病院は概算医療費の26.9%(10.74兆円)を占め、以下、公的病院19.3%(7.72兆円)、大学病院6.6%(2.65兆円)、個人病院0.6%(0.22兆円)となっている。