全日病ニュース

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短期滞在手術の拡大に診療側は慎重。「がん」の論点は概ね了解

【中医協16年度改定の議論】

短期滞在手術の拡大に診療側は慎重。「がん」の論点は概ね了解

 2016年度改定の議論は10月後半から個別事項の検討が加わるなど、中医協総会の審議が本格化した。以下に10月14日、21日、23日の議論を紹介する。

10月14日の中医協総会

◎入院医療(3)
「短期滞在手術等基本料」に関する論点
・水晶体再建術は両眼手術と片眼手術で評価を分けてはどうか。また、年齢によって出来高実績点数に大きな差が出る手術は年齢で評価を分けてはどうか。
・人工透析など、患者が別に有する疾患等で発生する高額な医療で、頻度の低いものは包括から除外してはどうか。
・短期滞在手術等基本料の対象に「経皮的シャント拡張術・血栓除去術」「体外衝撃波腎・尿管結石破砕術」「ガンマナイフによる定位放射線治療」を加えてはどうか。
【主な議論】
 この日は「急性期入院の機能分化推進(7対1)」「チーム医療推進」に関する論点も示された。
 7対1について、支払側は「平均在院日数、重症度、医療・看護必要度、在宅復帰率の要件、とくに15%は見直す方向で議論すべきだ」との見解を表明。
   短期滞在手術等基本料に関しては論点に同意した。
 診療側からは病床削減を企図した7対1の要件引上げに反対する意見が相次いだ。短期滞在手術について、万代委員(日病常任理事)は、見直しの方向を肯定した上で、対象手術の拡大を疑問視した。また、「病棟群単位の入院基本料」を俎上にのぼらせるよう求めた。

10月21日の中医協総会

◎個別事項(1) がん対策等
(1)「がん」に関する論点
・「地域がん診療病院」および「小児がん拠点病院」の体制を評価してはどうか。
・がん性疼痛緩和指導管理料は緩和ケア研修の受講を要件にしてはどうか。
・終末期に近いがん患者について、外来から在宅への連携を評価してはどうか。
・緩和ケア病棟が在宅生活を支援する役割を果たすことができるよう、地域連携の取り組み等について評価するとともに短期間の入院をより評価してはどうか。
・医師主導治験については、同種同効薬の投薬及び注射に係る費用も保険外併用療養費の支給対象としてはどうか。
(2)「ニコチン依存症の診療」に関する論点若年層も治療を受けられるよう算定要件(BI200以上)を緩和してはどうか。
(3)「難病対策」に関する論点(5面に続く)