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安倍首相が出席・挨拶。政府と病院団体で改定率の評価が分かれる

【四病協賀詞交歓会】

安倍首相が出席・挨拶。政府と病院団体で改定率の評価が分かれる

 四病院団体協議会は2016年の賀詞交歓会(新年の集い)を1月8日に東京都内のホテルニューオータニで開催、政界74人、厚生労働省等省庁46 人など675人が参加した。
 四病協を代表して挨拶した加納繁照医法協会長は、2016年のキーワードに、地域医療構想、消費税、診療報酬改定、参議院選挙の4つをあげた。
 そして、「2025年の必要病床数推計値は参考値に過ぎない。あれをもって病床削減目標としてはならない。また、今回の改定率はネットで2回連続のマイナスとなった。今後の議論で少しでもよい改定となることを願っている。さらに、10%への引き上げ時には、ぜひとも抜本的な解決をお願いしたい」と焦眉の課題に対する病院団体の思いを述べ、「来るべき参議院選挙では病院団体こぞって力を発揮できるようにがんばりたい」と結んだ。
 これに対して、塩崎恭久厚生労働大臣は「+0.49%は我々もがんばった結果」と本体報酬がプラスとなったことを強調。「この改定では、かかりつけ医とプライマリケアの推進に取り組むとともに、がん、認知症、小児の在宅や救急医療にも配分しなければいけないが、一方で、重症度評価の合理化もしないとならない」と、16年度改定に対する思いを語った。
 また、医療法改正で創設された地域医療連携推進法人に触れ、地域包括ケアを支える医療機関連携として「これがどう使われるのか。我々としては、これがよい結果をもたらし、そこから新しい発見が生まれればいいなと思っている」と、期待感を表わした。
 改定率について、横倉義武日医会長は、挨拶で「医療機関経営は厳しいが、わが国の財政状況がよくないことを理解し、医療人もしっかり覚悟していかなければならない」との認識を示した。
 賀詞交歓会の終了間際に安倍晋三首相が会場に到着し、挨拶に立った。
 総理大臣として初めて四病協賀詞交歓会に出席した安倍首相は、挨拶で「診療報酬の改定率に対しては色々な議論があったが、なんとかこの会に出席できる水準であったのではないか」と場内を笑わせながら、本体プラスの改定率を自負。
 その上で、「医療に携わる皆さんが誇りと自信をもって国民の健康を守る、この仕組みはしっかりと私もまもっていきたい、そのための予算も確保していきたいと思っている。今年伊勢志摩で開かれるサミットでは保健も大きなテーマとなる。日本の優れた医療保健を世界に広げていくことは私たちの使命でもある。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジに対して日本がリーダーシップをとっていきたい」と、わが国保健医療への思いを語った。

 

全日病ニュース2016年2月1日号 HTML版

 

 


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