全日病ニュース

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第3回臨時総会を開催 根拠に基づく発言・要望続ける

第3回臨時総会を開催 根拠に基づく発言・要望続ける

2018年度の準備始まる今年度の重要性を強調

 全日病は3月26日に第3回臨時総会を開催し、3月12日の第4回理事会で承認した2016年度事業計画、2016年度予算、2015年度事業計画の一部変更、2015年度補正予算を報告した。また、「病院のあり方委員会」委員長の徳田禎久常任理事が「病院のあり方に関する報告書−2015年度版」(未定稿)の内容を説明した。

「最大の関心は診療報酬改定後」
 西澤会長冒頭に挨拶した西澤寛俊会長は、最近の医療情勢を概観。「最大の関心は2016年度診療報酬改定後である。改定率は財政が非常に厳しい中で、本体が0.49%だったが、全体ではマイナス1.31%。これがどのような影響を及ぼすのか、きちんと検証する必要がある」と述べた。
 その上で、「7対1入院基本料からの転換を促す方策が目立つが、入院から在宅への誘導が今回の改定で非常に強く出ている」と述べ、改定の意図をふまえた対応を会員病院に求めた。
 2018年度が重要な年度となることを改めて指摘し、それに向けた準備が今年度から本格化することを強調した。
 2018年度は、診療報酬・介護報酬の同時改定となることに加え、都道府県の医療計画と市町村の介護保険事業計画の同時改定の年度でもある。
 また、西澤会長は、2016年度中に医療計画に盛り込まれる地域医療構想をすべての都道府県が策定することをふまえ、各都道府県支部や地域の会員病院が地域医療構想に関与していくことを求めるとともに、全日病執行部として様々な支援を行う方針を示した。
 2016年度の当面の大きな課題としては、①医療事故調査制度の施行後2年の見直し規定への対応②看護師の特定行為の研修制度③療養病床のあり方④新専門医制度─をあげた。
 続いて、日本医師会の横倉義武会長、自民党の武見敬三参議院議員、羽生田俊参議院議員が、来賓の挨拶を行った。
2016年度事業計画、予算などを報告
 2016年度事業計画では、現下の状況として、7対1入院基本料の基準の大幅見直しや病棟群単位の届出、療養病棟入院基本料2の適正化などが行われた2016年度診療報酬改定の対応を図る必要性が強調された。さらに、2016年度においては、診療報酬以外の医療提供体制についても、西澤会長が指摘したような様々な改革が予定されている。
 これらの状況をふまえ、「厳しい環境の中ではあるが、全日病は日本の医療・介護現場を支える病院団体として、根拠(データ)に基づく提唱、発言、要望を続けていく」と宣言した。
 2016年度事業としては、医療事故調査制度や地域包括ケア病棟、療養病床制度などに関するセミナーを開催するとともに、様々な調査・研究や提言・要望を予定している。医療事故調査等支援団体としての活動や介護人材の受入・紹介事業の立上げなどもある。
 2016年度予算については、経常収益計が5億9,609万円で前年度から5,357万円減少を見込んだ。経常費用計は5億8,995万円で前年度から5,104万円減少の見込み。その結果、経常収支は614万円の黒字。2015年度の866万円の黒字より252万円減の計画としている。
 経常収益の詳細をみると、受取会費が2億5,078万円で対前年度比285万円増、事業収益が2億4,190万円で同4,969万円減、受取補助金が600万円で同1,425万円減、支部収益が1,642万円で同67万円増、全日病学会収益が5,920万円で同284万円の増─。
 経常費用の詳細をみると、本部経費は4億8,270万円で対前年度比5,299万円減、支部経費が3,790万円で195万円増、全日病学会経費が6,936万円でほぼ同額を計画している。
 また、「病院のあり方委員会」の徳田禎久委員長が「病院のあり方に関する報告書」(未定稿)について説明した。
 1998年以来ほぼ隔年で発刊されているもので、今回で7度目。超少子高齢社会において既存の医療・介護提供体制を続けるのは不可能との認識のもとで、様々な観点から今後の病院のあり方を探っている。
 巻末では、最近の医療政策決定プロセスにビッグデータが使われ、「医療ニーズと資源配分の適切性の検証」が重要な視点になっていると指摘。ただ「現状では恣意的なデータ利用が行われるきらいがある」と注意を喚起した上で、全日病として、データの開示を求め、対案作成に活用していくことを提案した。

全日病ニュース2016年4月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 全日病ニュース・紙面PDF(2014年5月1日号)

    http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2014/140501.pdf

    2014年6月7日 ... 昭和63年3月23日第三種郵便認可)(1) ... 体像∼新たな財政支援制度への対応、
    病床機能報告制度とは」と銘打って5月18日に、. いずれも ... ー」は、3月29日に開かれ
    た第1回臨時 ... 選択療養制度」は、医師と患者が診療 ... 西澤会長は、14年改定、制度
    改正、2025年への対応で会員に情報提供すると宣した(3月29日の臨時総会) ... 知症
    への対応、在宅・施設サービスに ...... 常勤医師50名(うちリハ専門医3名、. 研修医7
    名)、総職員数816名。臨床研修. 基幹型(定員4名)、平均在院日数は約.

  • [2] 全日病ニュース・紙面PDF(2015年3月1日号)

    http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2015/150301.pdf

    2015年4月1日 ... 2015年(平成27年)3月1日(日)毎月2回1日・15日発行 定価1日号300円・15日号200
    円(会員の購読料は会費に含む). (昭和63年3月23日第三種郵便認可)(1) ... 定行為
    研修制度省令案と病床機能報告速報第2弾を掲載) ... 自治体病院の新型法人への
    参加には ..... を検討してはどうか」と、検討の. 方向性を論点で示した。 次期改定に向け
    た議論を開始。第1弾は「在宅医療」. 中医協総会 .... 西澤構成員(全日病)会長も「全日
    病 .... 院受療率は、療養病床入院患者のうち当 ..... 安薬の臨時投与.

  • [3] 全日病ニュース・紙面PDF(2016年3月1日号)

    http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2016/160301.pdf

    第3回臨時総会 開催のご案内. 下記日程で第3回臨時総会を開催します。 □第3回臨時
    総会. 日 時 2016年3月26日(土). 午後2時∼午後4時(予定) ... セミナーで、猪口副
    会長は、全日病の医療保険・診療報酬委員会に改定QAに関する. 窓口を設置することを
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