全日病ニュース

全日病ニュース

第58回全日本病院学会in熊本 開催を決定

第58回全日本病院学会in熊本 開催を決定

【理事会・常任理事会】
10月8〜9日に熊本市で 災害時における医療提供をテーマに

●理事会で発言する 山田一隆学会長

 全日病は5月21日に開いた第1回理事会・第2回常任理事会で、第58回全日病学会を予定通り10月8(土)〜9日(日)に熊本市で開催し、一連の地震で被災した熊本地方の復興を支援する方針を確認した。理事会に出席した学会長の山田一隆・熊本県支部長が5月18日の支部役員会・学会実行委員会で熊本復興の証として学会を開催する方針を決めたことを報告し、拍手をもって承認された。西澤寬俊会長は、全日病として全面的に支援する決意を表明。学会開催を通じて、被災地の復興を支援することを呼びかけた。

 理事会・常任理事会では、救急・防災委員会委員長の加納繁照常任理事(災害対策本部統括副本部長)が、支援物資の提供やAMATの派遣など、全国から寄せられた支援に対し感謝の意を表明した上で、熊本地震の対応状況を報告した。
 支援物資の搬送に当たっては、福岡県経由のルート構築を進める一方、被災病院からの緊急の要請に応え、鹿児島県から支援物資を搬送したことを報告した。全日病AMATは、救護所の巡回診療に加え、宇城総合病院、東病院、希望ヶ丘病院等の支援に当たった。
 宇城総合病院は、今回の支援を機に全日病に入会した。
 5月17には、全日病の西澤会長と医法協の加納会長が熊本に入り、南阿蘇など被災地を視察。西澤会長は「崩れた山肌をみて被害の大きさを実感した」と述べた。
 今回の熊本地震に当たり、支援物資を提供した病院は93施設。支援物資が配布された病院は116施設である。加納常任理事は、6月18日の支部長・副支部長会で熊本地震の対応を詳細に報告する。

熊本は復興に向けて動き始めている

 続いて山田支部長が発言し、被災地の現状と熊本学会について報告した。
 4月14日と16日の二度にわたり震度7の地震が発生し、熊本市東部と益城町、南阿蘇が大きな被害を受けた。山田支部長は、地震直後から懸命の医療活動を展開したことを報告するとともに、上村晋一学会実行委員が院長を務める阿蘇立野病院の状況を説明した。
 大規模な土砂崩れにより阿蘇大橋が崩落し、同病院がある立野地区と南阿蘇村中心部をつなぐ国道57号は寸断され、病院も被害を受けた。一時、病院閉鎖の報道もあったが、国土交通省が地域の状況を調査した結果、国道や橋を再建し、同地区の復興の方針を決めたことから、阿蘇立野病院は今後3年をかけて復興する方向であることを伝えた。山田支部長は、「熊本は復興に向けて動き始めている」と強調した。
 その上で、熊本学会について説明。
 ①学会予定4会場のうち1会場における一つのホールのみが使えない、②宿泊施設はホテルが一つ閉鎖したが、そのほかは10月には使用可能となる見込みである、③熊本城は閉鎖されているが、そのほかの観光施設はほとんどオープンしている—など、様々な形で復興が進んでいることを説明した。
 学会実行委員会では、今回の地震による被害の甚大さを考え、学会開催の是非を慎重に検討してきたが、すでに377の演題が集まっていることや、全国から支援のメッセージが寄せられていることを踏まえ、5月18日の実行委員会において全員一致で予定通り開催する方針を決めた。
 なお、学会の開催に当たっては、①余震の状況(震度5以上の余震が予想される場合など)を考慮して適切な対応をとる、②参加予定者に対して安全性・利便性に関する情報提供を徹底する、③学会のテーマとして、「災害時における医療提供のあり方」を加え、今回の熊本地震の際の医療提供のあり方を議論する考えを述べた。
 西澤会長は、「阿蘇立野病院再開のニュースで熊本支部の機運は高まっている。全面的に支援したい」と述べ、多くの参加者で学会を盛り上げることを呼びかけた。
 また、学術委員会委員長の川島周常任理事は、「このような状況で学会を開催していただくことは有り難い」と発言。
 猪口雄二副会長は、熊本県では学会協賛金の確保が難しいことから、全国の支部において協賛金の協力を求めることを提案し、全日病の組織をあげて熊本学会を支援することを確認した。

●全日病の西澤会長と医法協の加納会長は5月17日、熊本を視察し、阿蘇立野病院を訪問した

 

全日病ニュース2016年6月1日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 「第58 回全日本病院学会 in 熊本」事前参加登録のお願い

    http://www.ajha.or.jp/about_us/akademi/pdf/h28akademi_2.pdf

    2016年6月13日 ... この度の平成28年熊本地震におきましては、全国各地からご支援を頂き心より御礼申.
    し上げます。 ... 学会開催に関しましては諸調査を実施し、全日本病院協会役員並び本
    学会実行委員会に ... 学会長 山田 一隆. 公益社団法人 ... 遣・支援物資の提供及び
    物資搬送・義援金募集等、被災地及び被災医療機関へ様々な支援活.

本コンテンツに関連するキーワードはこちら。
以下のキーワードをクリックすることで、全日病サイト内から関連する記事を検索することができます。