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医療機関HPの規制議論が再開　消費者委員会が規制強化を求める

厚労省・医療情報の提供内容等のあり方検討会

　「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」が５月18日に開催され、医療機関が設けるウェブサイト（ホームページ）に対する規制のあり方について議論した。
　検討会は、内閣府に設置された第三者機関の消費者委員会が昨年７月に発した、美容医療サービスにおける不適切広告の取り締まり強化を求める厚生労働大臣あての建議を受けて設置された。
　医療広告に関しては、医療法を踏まえ、厚生労働省告示と医療広告ガイドラインで限定的に認められた事項（13項目）以外は、原則として広告が禁止されている。
　広告が認められている事項でも、「絶対安全な手術」といった内容が虚偽にわたるもの、他医療機関と比較して優良である旨の比較広告、誇大な広告、客観的事実の証明ができない内容、公序良俗に反したり品位を損ねる内容、他法令等で禁止される内容の広告などは、医療法施行規則や医療広告ガイドラインで禁じられている。
　ただし、インターネット上のホームページについては、バナー広告などを除いて、広告とはみなさない（医療広告ガイドライン）とした上で、指針（医療機関ホームページガイドライン）を定めて医療機関による自主規制を求め、現在にいたっている。
　しかし、建議は、こうした医療広告規制や美容医療サービス等の自由診療にインフォームド・コンセントの徹底を求める通知などの対策にもかかわらず、美容医療サービスの相談件数は増加の一途をたどっており、「厚生労働省が講じた対策では効果が十分とは言い難い」と指摘、（1）医療機関のホームページも広告に含めるなど情報提供の適正化、（2）美容医療サービスにおける事前説明・同意の実施が浸透するための措置を求め、「この建議への対応について、平成28年１月までにその実施状況の報告を求める」としていた。
　消費者委員会の建議は、直接には美容医療サービスを問題としながらも、ホームページに関しては医療機関一般を対象としている。
　こうした経緯を踏まえて、厚労省は「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」をこの３月24日に設置し、医療機能情報提供制度や医療機関が広告できる事項の拡大等について検討するなど、医療機関のホームページの取り扱いに関しては、先行して今年の秋をめどに意見をとりまとめたいとして、検討を求めた。
　２回目となる５月18日の会合には日本美容外科学会など美容医療系の３学会も同席した。厚労省は１回目に示された意見を整理した結果、医療機関ホームページの規制の考え方を、（1）すべての医療機関等のウェブサイトを一律に広告とみなす、（2）虚偽・誇大な表示等に対する部分的な規制を行う、（3）美容医療サービス等の自由診療に関するウェブサイトに限定して規制すると３点に整理して示した。
　これに対して、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント相談員協会に属する構成員を除き、ほとんどの構成員は（1）の考え方に慎重な意見を述べた。その一方で、「規制は美容医療サービスに限定されるべきではないか」あるいは「自由診療全般を対象とすべき」など、対象をめぐっては意見が別れた。
　規制を実効化する規制内容の浸透や監視体制についても、専門企業によるネットパトロールの実施、医療法に基づく報告徴収等の積極展開など行政機関による監視の強化、プロバイダー業者（業界団体）による自主規制の徹底、関係学会による取り組みなど多様な意見が出たが、この日は個別手法を絞り込むにはいたらなかった。