全日病ニュース

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臨床研修の到達目標と評価方法を議論

臨床研修の到達目標と評価方法を議論

厚労省・臨床研修WG

 厚生労働省の「医師臨床研修制度の到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループ」(福井次矢座長)は4月28日、臨床研修制度の見直しに向けて、今後の検討・議論の方向性について議論。診療能力の評価をより重視する考え方から、「経験すべき症状・病態・疾患」を臨床研修医が習得すべき能力の到達目標である「方略」に位置づける方向を了承した。また、医学教育モデル・コア・カリキュラム改訂の検討状況について文科省から説明を受けた。
 昨年12月に厚労省科研事業研究班が示した「臨床研修の到達目標、方略及び評価の骨格案」では、臨床研修の「方略」(カリキュラム)として、診療現場・診療科とともに、「経験が求められる症候・病態・疾患」を明記していた。
 医師には将来専門とする分野にかかわらず、基本的な診療能力を身につけることが求められている。急速な高齢化などによる人口動態や疾病構造の変化、卒前教育や新たな専門医の仕組みなど医師養成全体の動向にも配慮し、医師として、到達すべき資質や能力が身につくよう到達目標を設定する。
 「経験すべき症状・病態・疾患」については、「経験を求める疾患は、基本的には、主な症状・病態の鑑別疾患より、頻度や緊急を要するかどうか等を考慮して整理する」、「レポートについては、その質を確保するため、例えば鑑別診断の十分な考慮等、レポートとして必要な事項をガイドライン等としてある程度示す」などの考えが示されている。
 なお、次回の医師臨床研修制度の見直しは2020年度に予定されているが、新カリキュラムは2018年の入学生(2024年卒業生)から実施されることから、医学部教育のモデルチェンジは次回の見直しには間に合わないことになる。
 今後のスケジュールとしては、7~ 8 月にWGを開催、臨床研修部会も開き、各WGから報告を受ける。
 その後もWGの開催を続け、来年3月頃に到達目標をまとめる。

 

全日病ニュース2016年6月1日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 医師臨床研修制度の見直しについて(平成27年度研修より適用予定)

    http://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2013/131224_1.pdf

    2013年12月19日 ... 医師臨床研修制度は、医師の基本的な診療能力の修得のため、平成16年度に努力
    義務から必修化され、まもなく10年。 ..... 経験すべき症状・病態・疾患」等については、
    当該項目を「経験する」ことが ...... 研修目標・方略・評価の計画作. 成).

  • [2] 全日病ニュース・紙面PDF(2013年12月1日号)

    http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2013/131201.pdf

    2014年1月9日 ... の医療を提供する、②病態として重度・. 中等度・軽症がある、③各病院の .... 師臨床
    研修専門官は、新たな専門医制. 度において誕生した総合 ...... 「Myミニカリキュラム
    作成」で自院研修のSBO、方略、評価を作成. 節電・節水等に努める病院。

  • [3] 第768回/2011年12月1日号

    http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2011/111201.pdf

    2011年9月2日 ... 厚労省は、人員配置や構造設備基準とともに「患者の疾病・病態や処置内容など」急性.
    期医療の提供を要件に ...... 向が検討されている。そうなると、「高. 診療密度病院群」に
    入った病院も研修. 医が減る可能性がある。臨床研修医の. 偏在解消に、この動きが
    ...... 到達目標に関して、SBOs・方略・評価. を追加作成する、(5)他の ...

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