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第58回全日病学会を10月8日・9日に熊本市で開催

第58回全日病学会を10月8日・9日に熊本市で開催

第58回全日病学会を10月8日・9日に熊本市で開催

【第58回全日本病院学会in熊本】
熊本学会の成功は復興の第一歩。全国から多数病院の参加を期待

 「第58回全日本病院学会in 熊本」(学会長・山田一隆社会医療法人社団高野会理事長)は「地域医療大改革~豊かな未来への取り組みをくまもとから~」をテーマに、熊本県支部(山田一隆支部長)の担当で、10月8日・9日の2日間、熊本市で開催される。
 一般演題の登録数は2014年度の福岡学会を上回る579題に達した。学会実行委員会(委員長・田中英一医療法人田中会理事長)は8月24日まで事前参加の登録を受け付けており、全国から多数の参加を期待している。

地域医療連携推進法人、今後の診療報酬、医療事故調査制度等多彩な企画

 熊本学会は一時熊本地震によって開催が危ぶまれたが、余震の恐れがなくなる中、運営に当たる熊本県支部は、宿泊施設や会場に支障がないことを確認した上で予定どおり開催することを決定。これを踏まえ、全日病は第1回理事会(5月21日)で、熊本学会の開催方針を支持し、全面的に支援する方針を確認した。
 熊本地震を受けて、学会実行委員会は、災害時の医療提供のあり方をテーマとするプログラムの追加を決めた。
 具体的には、1日目の特別講演Ⅰ・Ⅱに続きメイン会場で熊本県による特別講演を予定。さらに、同じ会場で、熊本地震における医療提供体制の報告・検証および災害時の病院運営を確保するBCP に関する講演が予定されている。
 プログラムの概要はすでに固まっている。
 学会実行委員会が計画する学会企画では、まず、都道府県による策定が今夏にほぼ終わる地域医療構想の内容を把握するとともに、地域医療と各医療機関に与える影響の分析を試みる「地域医療構想の現状と今後の対応」が注目される。
 演者には、全国2次医療圏の人口構成と医療介護提供体制の将来予測をデータべース化した国際医療福祉大学の高橋泰教授と、各都道府県に医療計画と地域医療構想策定に要するデータブックの提供等に務めた産業医科大学の松田晋哉教授を予定。
 一方、医療提供側からは当協会の役員等が出演を予定しており、地域医療構想に課せられた課題と問題点について考察を加える。
 次に、日本看護協会が取り組む看護の質データベース事業DiNQL(Database for improvement ofNursing Quality and Labor)を取り上げる「DiNQL で病院を変える!看護を変える!~看護の質評価事業~」が関心を集めそうだ。
 インターネットを通じて労働と看護の質評価指標に関するデータを収集し、ベンチマーク評価を行うDiNQLは、2015年4月に本格運用が始まったばかりだが、急性期の病院を中心に大きな広がりをみせている。日看協の川本利恵子常任理事に基調講演をお願いするほか、事業に参加している病院の看護責任者に事例報告をしてもらう予定だ。
 そのほか、学会企画では、熊本市出身の姜尚中東京大学名誉教授による講演「医療と健康と震災」が組まれている。
 委員会企画は、今回も主要委員会が積極的なテーマで準備を進めている。
 その中で、救急・防災委員会は、今回出動したAMAT の医療支援活動について検証を試みる。
 一方、医療の質向上委員会は、昨年10月に施行された医療事故調査制度について、制度の仕組みをあらためて確認するとともに、1年間の経験を踏まえた制度運用の留意点と制度改善に向けた課題を議論する予定だ。
 医業経営・税制委員会は来年4月に施行される地域医療連携推進法人をテーマとしたセッション「地域医療連携推進法人の設立に向けて」を企画している。厚生労働省は2016年度に入って全国で説明会を開催しており、医療機関の関心も高まりつつあるが、具体的な仕組みについてわからない点も少なくない。医政局医療経営支援課に詳細な解説をお願いしているが、この解説を踏まえ、全日病の神野正博副会長ほかの演者がその意義と問題点を明らかにするものと期待されている。
 さらに、病院のあり方委員会は、このほど刊行した「病院のあり方に関する報告書2015−2016年版」について、原稿を執筆した委員自らがその内容を深化させる報告と議論を行う予定だ。
 このほか、医療保険診療報酬委員会は「平成28年度診療報酬改定とこれからの診療報酬等について」と題したセッションを予定している。
 熊本学会の主会場となる熊本市民会館は日本が誇る名城熊本城に面している。地震による被害で熊本城は多くの部分が立入禁止となっているが、会場の近くから天守閣や櫓(やぐら)などを見ることはできる。
 また、熊本学会の開催日には、会場近くで、ろうそくの灯りで街を幻想的に彩る市民祭「熊本暮らし人祭り“ みずあかり”」も行われる。全国会員病院の積極的な参加が待たれるところだ。

 

全日病ニュース2016年8月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 第58回全日本病院学会in熊本 開催を決定

    http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2016/160601.pdf

    2016年6月30日 ... 片峰茂・長崎大学学長)は、5月19日 ... 新たな医療の在り方を踏まえた医師 .... 10月8
    〜9日に熊本市で 災害時における医療提供をテーマに ... 一隆・熊本県支部長が5月 18
    日の支部役員会・学会実行委員会で熊本復興の証 .... 精神医療について、デイケア・
    訪問看護や福祉サービス等の利 .... 加国際病院院長が選出された。

  • [2] 平成28年度 事業計画・予算

    http://www.ajha.or.jp/about_us/plan/2016.pdf

    を通して、社会の健康および福祉 ... 平成 28 年度事業として、種々の制度改革に対応
    するべく、医療事故調査制度、DPC制度、 .... 11.学術研修事業. 1)第58回 全日本
    病院学会(熊本県支部担当)の実施. (1)開催地. 熊本県熊本市. (2)実施時期. 平成
    28 年 10 ... (4)学会長. 山田一隆(全日本病院協会熊本県支部支部長). (5)実行委員
    長. 田中英一(医療法人田中会武蔵ヶ丘病院理事長) .... その他、各委員. 会事業に属さ
    ない事項についての検討を実施する。 ⑮ 国際交流委員会. 諸外国の医療施設に関する
    調査・ ...

  • [3] 平成19年度 事業報告・決算

    http://www.ajha.or.jp/about_us/plan/kessan_h19.pdf

    2007年4月1日 ... 平成 19 年 9 月には、会長が中央社会保険医療協議会委員に選任され、平成 20 年度
    診療 ... 第 49 回全日本病院学会は、9 月 22、23 日、小松寛治学会長の下、秋田県
    支部担当で行 .... 熊本県支部総会 (熊本市) ..... けた全日本病院協会と日本看護協会
    の合同実行委. 員会に係る当協会側 ..... 泰(国際医療福祉大学教授).

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