全日病ニュース

全日病ニュース

消費税引上げの必要性を主張する方針で一致

消費税引上げの必要性を主張する方針で一致

消費税引上げの必要性を主張する方針で一致

【四病協】
CT・MRIの保有制限には反対

 四病院団体協議会は7月20日の総合部会で、社会保障を充実させるために消費税の引上げが必要であることを積極的に主張していく方針で一致した。
 また、厚生労働省がCT やMRI など医療機器を病院が保有することに制限を加える検討を始めるのであれば、反対していく姿勢も明確にした。
 消費税10%への引上げが再延期されたことで、社会保障に充てる財源確保の見通しが不透明になっている。
 政府の財政健全化方針を踏まえると、2018年度の診療報酬・介護報酬同時改定の改定率も厳しいものになるとの予想もある。総合部会では、社会保障の充実のためには、財源確保が不可欠であり、消費税の引上げが必要であることを政府・与党に強く訴えるべきとの発言が相次いだ。
 ただ安倍首相が経済状況を勘案して再延期を決断し、国民の過半数も再延期に賛意を示していることから、主張の具体的内容については、消費税のあり方の整理を含め、医業経営・税制委員会で詰める。また、2019年10月までの2年半の延期となっているが、それを待たずに引き上げることが必要との意見もあったという。
 7月15日に開かれた厚労省の「医療計画の見直し等に関する検討会」で、CTやMRIなど医療機器の配置と安全管理が議題になったことについて議論になった。厚労省は現段階で方針を明示していないものの、今後、医療機器の保有を制限することを提案した場合には、病院団体として反対するとした。厚労省は「医療計画の見直し等に関する検討会」の資料で、日本のCT・MRI の台数がOECD(経済協力開発機構)諸国の平均より、それぞれ4.1倍、3.3倍であることを示している。都道府県別では、それぞれ最大3.2倍、3.0倍の開きがある。
 CT・MRI とも徳島、高知、鹿児島などで保有台数が多く、埼玉、千葉、東京、神奈川、滋賀などで少ない。また、病床規模の大きい施設ほど安全管理の責任者の設置率、保守点検計画の策定率が高いとした。その上で、厚労省は医療機器の配置状況や稼働状況、安全管理の取り組み状況を考慮した検討を進めることを論点としている。
 全日病の西澤寬俊会長は終了後の会見で、「すでに多くの医療機関が保有している。検討会でも意見が出たように『今さら』という感じだ。保有を制限しても効率化につながるとは考えにくいし、診断の水準が下がるおそれがある。そもそも診療報酬点数は低く、諸外国と比べても全体では日本は高くない」と述べた。
 同検討会で医療計画における医師確保策が議題となったことについては、改めて「医師の絶対数が不足している」との認識を示した。また、厚労省が都道府県の地域医療支援センターを積極的に活用して、医師確保の役割を担わせようとしていることに対しては、現状では十分に機能していないことを不安視する意見があった。
 新専門医制度の見直しを議論している日本専門医機構に対しては、四病協の各団体がそれぞれ社員になることを報告した。

 

全日病ニュース2016年8月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 中医協の議論と大筋同じ方向の対応を確認。「消費税改定」を実施|第 ...

    http://www.ajha.or.jp/news/pickup/20130901/news09.html

    2013年9月1日 ... 8月21日に開かれた社会保障審議会の介護給付費分科会は、消費税率が8%に
    引き上げられる際の介護報酬における対応案について議論。 ... この方針は中医協
    における消費税対応の考えと概ね一致する。 また、事務局(厚労省老健局老人保健課)
    が7月19日の介護事業経営調査委員会に示した、消費税率の引き上げが ...

  • [2] 第4回定時総会を開催 一致協力して制度改革に向かう|第874回 ...

    http://www.ajha.or.jp/news/pickup/20160701/news01.html

    2016年7月1日 ... 第4回定時総会を開催 一致協力して制度改革に向かう|第874回/2016年7月11日
    号 HTML版。21世紀の医療を考える「全日病 ... 武見議員は、経済情勢を勘案して消費
    税引き上げが延期されたことを報告する一方、「安倍首相は約束した社会保障政策は
    確実に実行すると言っている。 ... 厚生労働省補助事業としては、「看護師の特定行為に
    係る指導者育成事業」や「身体拘束ゼロの実践に伴う課題に関する調査 ...

本コンテンツに関連するキーワードはこちら。
以下のキーワードをクリックすることで、全日病サイト内から関連する記事を検索することができます。