全日病ニュース

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新オレンジプランをめぐり意見交換

新オレンジプランをめぐり意見交換

【認知症医療介護推進会議】
評価方法について提言へ

 国立長寿医療研究センター(鳥羽研二理事長)は8月4日、認知症に関わる医療・介護の関係団体や学会、学識者で構成される「認知症医療介護推進会議」の第5回会合を開催した。同会議の座長は鳥羽理事長が務める。
 会合では、新オレンジプランの進捗状況の報告を受けて、認知症の医療・介護をめぐり意見交換。厚生労働省は新オレンジプランのアウトカム評価について検討していることを説明し、協力を要請した。鳥羽座長は会議として新オレンジプランの評価等について提言する意向を示した。
 厚労省認知症施策推進室の宮腰奏子室長は、新オレンジプランの概要を改めて説明。認知症カフェは早期発見につながるケースもあり、「色々な可能性を秘めている」とし、取り組みを進めていく意向を示した。
 意見交換では日本認知症グループホーム協会の河﨑茂子会長が、770万人養成されている認知症サポーターの活用について「国家施策として考えてほしい」と発言した。これに対し宮腰室長は、サポーター養成講座の受講後に「地域でどのように活躍していただくかも含めて考えていきたい」と答えた。
 全日病の西澤寬俊会長は、新オレンジプランの数値目標に触れ、「手段であって目的ではない。本当のアウトカムは何か」と指摘。数的な整備の先にある目標も「一緒に考えていきたい」と発言した。宮腰室長は西澤氏の発言に同調。新オレンジプラン本文には、数値目標だけでなく、目的等も書かれていることを説明した上で、認知症初期集中支援チーム等の設置について「本当に役に立つかも含めて取り組んでいかなければならない」と述べて協力を求めた。西澤会長は「まず数をつくるというのはおかしい」と指摘。取り組みが間違っているケースもあることから中間的な評価が必要だと指摘した。
 鳥羽座長も「新しいものについてアウトカム評価をつくることは課題」と指摘。これを受け認知症施策推進室の大田秀隆専門官は「アウトカム評価について今、省内で議論している」と説明し、意見を求めた。日本精神科病院協会常務理事の渕野勝弘氏は、新オレンジプランについて、「一番足りないのは本人・家族の意見」と指摘。会議で「本当の声」を紹介してもらい、それを踏まえ新オレンジプランの見直しを検討するよう提案した。
 会議終了時に鳥羽座長は、新オレンジプランに関して来年も検討を継続する意向を示した。

 

全日病ニュース2016年9月1日号 HTML版

 

 

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