全日病ニュース
相模原市の障害者施設の事件を受け検証・検討チームが初会合
相模原市の障害者施設の事件を受け検証・検討チームが初会合
厚生労働省は8月10日、「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チーム」の初会合を開催した。7月26日未明に神奈川県相模原市の障害者支援施設「津久井やまゆり園」で、精神科病院に緊急措置入院した経験がある容疑者により入所者が刺され、入所者19名が死亡、職員2名を含む27名が負傷した事件を受けて設置された。厚労省は8月中に事件の検証を終え、秋に再発防止策を取りまとめる方針。
会合の冒頭で塩崎恭久厚生労働大臣は、「一人ひとりの命の重さは障害のあるなしにより少しも変わることなく、また皆が平等に生きる価値がある存在であることを改めて強く申し上げたい。このような事件が二度と起こらないためにも差別や偏見の無い、あらゆる方々が共生できる、インクルーシブな社会をつくっていかなければならない」と訴えた。
さらに事実関係をきちんと踏まえ現行制度下における対応で不十分であったことの検証を行うとともに、新たな政策・制度など再発防止策を検討し、提案していく方針を示した。
検証・検討チームは学識者や医療・福祉関係者、関係省庁・自治体などで構成。座長は成城大学法学部教授の山本輝之氏が就任した。
主な論点としては、①福祉施設における防犯対策②措置入院に係る手続③退院後のフォローアップ④警察等の関係機関との情報共有のあり方─があがっている。
会合は非公開で行われ、事実関係の報告を受け、意見交換を行った。主に、措置入院に係る手続と退院後のフォローアップについて意見があった。
全日病ニュース2016年9月1日号 HTML版