全日病ニュース

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新専門医の認定証は機構と学会の連名で

新専門医の認定証は機構と学会の連名で

【日本専門医機構】
外科と内科にサブスペシャリティとの連動認める

 日本専門医機構(吉村博邦理事長)は9月7日、2018年度から始まる新たな専門医制度の基本的な枠組みについて議論し、終了後に記者会見を開いた。
 専門医の認定における機構と各学会の役割分担を整理し、認定証は機構と学会の連名で交付することとした。また、基本診療領域の内科と外科は、サブスペシャリティと連動した研修プログラムにすることを認める。2018年度以降の新プログラムで地域医療への配慮を求めることも改めて明確にした。
 実施を1年延期し、仕切り直しとなった新専門医制度については、「機構がすべてを決定し、学会はそれに従うといった上意下達ではない関係」を明確にしている。これを踏まえて、専門医認定の手順を決めた。認定には1次審査と2次審査がある。1次審査は、機構が示す基準に則って各学会が実施する。2次審査は、各学会の審査が基準に則っているかを確認する意味を含め、機構が実施することにした。
 認定証は機構と各学会の連名とする。
 更新についても同様の手順とする。
 認定料については、更新までの期間を5年とすれば、年間2千円を確保できるよう1万円とする。当初は5万円で年間1万円を確保するよう調整していた。また、消費税は別途徴収するとした。
 基本診療領域のうち、内科と外科については、研修プログラムにおいて、サブスペシャリティとの連動を認めることにした。例えば、「内科で1年研修を受ければ(サブスペシャリティの)循環器内科の研修ができるなどフレキシビリティを持たせる」(松原謙二副理事長)。まずは内科と外科で実施し、他の診療科についても今後検討する。
 また、基本診療領域の専門医の資格を複数持つことのできる「ダブルボード」は、基本的には認めることを確認した。
 新専門医制度の1年延期は、医師の偏在拡大など地域医療への影響が懸念されたことが最大の理由だ。このため、2018年度からの新研修プログラムでは、2017年度の暫定プログラムと同様に、地域医療に配慮する措置を講じることを検討する。吉村理事長は「大都市に研修医が偏在しないよう実績と募集定員の倍率に制限を設けることを各学会に検討してもらう。地域で研修病院が確保されることや研修病院になれない病院への対応も必要だ」と述べた。
 また、機構は財務基盤の整備、繁忙期の人員不足を補うため、医療団体に専門の人員の補充を依頼していた。その結果、現在までのところ、日本医師会や学会から臨時で職員が派遣されることになった。

 

全日病ニュース2016年10月1日号 HTML版