全日病ニュース

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地域としての事業継続計画(BCP)が必要

地域としての事業継続計画(BCP)が必要

【特別講演】
災害時の医療の途絶を防ぐ

 熊本地震関連の企画として、兵庫医科大学の中尾博之准教授が「災害医療の継続計画 Business Continuity PlanからMedical Continuity Plan へ」をテーマに講演。自然災害においては、「地域としてBCP を定める必要がある」と強調した。
 Business Continuity Plan( 事業継続計画、以下BCP)は、災害時でも事業を継続する、あるいは迅速に復旧するための計画。1988年にアメリカで大規模なビル火災があり、1階の銀行がBCP を定めていたため、翌日には営業を再開できたことから注目された。
 内閣府の2015年の調査からBCP 策定状況をみると、金融・保険業が86.9%で最も高く、情報通信業が59.1%で続く。大企業ほど策定割合が高く、医療・福祉施設は17.4%にとどまっている(2013年)。
 欧米では、BCP が想定する非常事態は主にテロだ。しかし、日本は台風や地震など自然災害が多い。テロの被害よりも地理的範囲は広く、復旧にかかる期間も長い。「病院がBCP を定め、想定どおり業務を継続できても、他の病院が業務停止していれば、患者が殺到し、破綻する」と中尾准教授は指摘。 「地域としてBCP を定める必要がある」と強調した。
 医療におけるBCP に求められるのは、災害時に失われた「欠損」を埋めることだという。災害直後はDMATなどの活躍がある。その後は、JMATやAMAT の援助を受けつつ、地域の医療機関の回復を待つことになるが、東日本大震災ではその回復が遅かった。
 医療の「欠損」を迅速に埋めて、その厚みを増すことにBCP の意義がある。
 BCP で最も大切なのは、「重要な事業を判断し、優先順位をつけて、リソースを配分すること」、「優先順位が低い事業を犠牲にしてでも、それを守る」ことだと中尾准教授は説明した。ただ時間の経過とともに事業の優先順位は変わる。BCP に特有の指標を用いて分析し、随時見直しを図ることが重要だ。
 BCP では、災害時に起こりうる事態を想定し、人員や物資、設備の配分を考えなければならない。例えば、「停電し、電子カルテが使えない状況でどうするか」などだ。計画を実行する上で、リーダーシップを含めた組織の力も重要だ。

 

全日病ニュース2016年11月1日号 HTML版

 

 

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    2016年9月1日 ... ... を踏まえた「熊本地震と医療体制 県内・県外の動き」と災害時に病院経営の継続を
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  • [2] 全日病ニュース・紙面PDF(2016年9月1日号)

    http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2016/160901.pdf

    2016年10月1日 ... 3つ目として、BCP(事業継続計画). に関する講演を企画しました。災害な. どで不測の
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