全日病ニュース

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原則として応能負担の考え方で臨むことを支持

原則として応能負担の考え方で臨むことを支持

【厚労省・介護保険部会】
軽度者の利用者負担引上げは反対が多数

 介護保険制度の改正に向けて議論している社会保障審議会・介護保険部会(遠藤久夫部会長)は10月19日、「利用者負担のあり方」と「費用負担(総報酬割)」について議論した。このうち「利用者負担」について厚生労働省は、①現在の2割負担の対象拡大さらには3割負担の導入、②軽度者の利用者負担の引上げを提案した。また、高額介護サービス費の自己負担限度額について、一般区分の負担上限額(37,200円)を44,400円に引き上げることについて検討を求めた。介護保険の利用者負担は、制度発足以来1割だったが、2014年の改正で、一定以上所得のある者に2割負担が導入されている。骨太方針2015と経済・財政再生アクション・プログラム(2015年12月)は、利用者負担のさらなる見直しを要請し、年末までに結論を出すことを求めた。また、10月4日の財政制度分科会は、軽度者の利用者負担割合の引上げを提案した。
 介護保険部会の議論では、ほとんどの委員が「原則として応能負担の考え方で臨む」ことを支持したが、各論では主張が分かれた。
 利用者負担割合に関して経団連と商工会議所の委員は、「2割の対象拡大には賛成」と述べるなど、負担割合の引上げを支持した。なかには、区分支給限度額の引下げあるいは「区分支給限度額に標準プランを設け、その範囲なら1割、上回ったら2割とする」などの案を提案する委員もいた。これに対して、連合と利用者側の委員は利用者負担の引上げに反対した。
 一方、「軽度者の利用者負担割合を引き上げる」案は、多くの委員が明確に反対した。
 このほか厚労省は、高額介護サービス費における一般区分の負担上限額を44,400円に引き上げることを提案したが、賛否が分かれた。2割負担導入の影響が十分に検証されていないとして、負担増が頻回に実施されることを懸念して反対する意見があった一方で、医療保険との整合性をとる観点から引上げに賛成する意見があった。

 

全日病ニュース2016年11月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 全日病ニュース・紙面PDF(2013年9月1日号)

    http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2013/130901.pdf

    割へと引き上げ)の実施と応能負担の. 観点からの ... 者負担の見直し. (4)特養
    における施設介護サービス費. 支給対象の見直し. などをあげ、第6期介護保険事業
    計画. が15年度から始まることを踏まえ、そ. れら措置 .... 療保険部会・医療部会
    における議論を.

  • [2] 全日病ニュース・紙面PDF(2013年8月15日号)

    http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2013/130815.pdf

    保審医療部会で提言について説明、関. 係者の理解 ... 社会保障制度改革国民会議
    報告書「Ⅱ.医療・介護分野の改革」から(要旨) ... 的利用を図り、国民負担を適正な
    範囲に抑えていく. 努力も継続していかなければならない。皆保険制度. を守り通すため
    には医療そのものが変わらなければ .... 被用者保険の標準報酬月額上限引上げも検討
    する。 ... 高額療養費の所得区分を細分化し、応能負担となるよう限度額を見直すことが
    必要。

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