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オプジーボの薬価を半額に

オプジーボの薬価を半額に

【中医協総会】
緊急的対応として来年2月1日から適用

 中医協総会(田辺国昭会長)は11月16日、抗がん剤のオプジーボ(小野薬品工業)の薬価を半額に下げることを了承した。オプジーボ点滴静注100mgで、72万9,849円から36万4,925円に下がる。2年に1度の通常の薬価改定と異なる緊急的な対応と位置づけ、24日に告示した。来年2月1日から適用する。「医療保険財政への影響が極めて大きい」と判断された結果だ。
 薬価引下げには、市場拡大再算定の考え方を用いた。市場拡大再算定とは、医薬品の年間販売額が予想を超えて大幅に拡大した場合に、薬価を引き下げる仕組み。今回の対応では、◇ 2015年10月から2016年3月までに効能・効果または用法・用量の一部変更がある◇ 2016年度の企業予想年間販売額(薬価ベース)が1,000億円を超え、かつ薬価収載時の予想年間販売額の10倍以上─を満たす医薬品が対象となった。該当したのは、オプジーボだけだった。
 市場拡大再算定には、薬価を最大25%下げる計算方法と最大50%下げる計算方法がある。前者は年間販売額が1,000 ~ 1,500億円で予想の1.5倍以上、後者は1,500億円以上で予想の1.3倍以上の場合だ。今回の対応では、薬価調査は行わないため、販売額は小野薬品工業が公表する仕切価格(出荷価格)を用い、それを薬価ベースにした。オプジーボの2016年度の仕切価格(出荷価格)の年間予想販売額は1,260億円。薬価ベースにするため、これに流通経費7%、消費税8%を乗じて、薬価と市場実勢価格の差であるかい離率3.45%で除した。かい離率は、2015年薬価調査での「腫瘍用薬(注射薬)」の平均かい離率6.9%の半分にした。新薬創出等加算対象品目であることを考慮した。
 その結果、年間販売額は1,500億円を超える1,516億円となり、市場拡大再算定の手法を用いて、薬価を半額にすることになった。具体的には、オプジーボ点滴静注20mg が15万200円から7万5,100円、オプジーボ点滴静注100mg が72万9,849円から36万4,925円となる。
 オプジーボについては別途、最適使用推進ガイドラインを策定し、臨床での使用を適正化する。さらに、2018年度の薬価制度の抜本改革とあわせ、費用対効果評価の仕組みを使った価格設定を行う方針が示されている。

 

全日病ニュース2016年12月15日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部改正等について

    http://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2014/140904_8.pdf

    2014年9月2日 ... また、薬価基準の改正に伴い、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意
    ..... オプジーボ点滴静注20mg ... 薬価(円). 17 注射薬. オプジーボ点満静注100mg. ニ
    ボ/レマブ(遺伝子組換え). 100皿g10此 1瓶. 729,849. 18 注射薬.

  • [2] 平成28 年度診療報酬改定関連通知の一部訂正及び官報掲載事項の一 ...

    http://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2016/160401_1.pdf

    2016年3月31日 ... 薬創出等加算適用品」という)の製造販売業者に対しては、平成28年度以降の薬価
    改定までの ... 降の薬価改定において新薬創出等加算を実施することとされた場合で
    あっても、当該製造販売 ... 精神科急性期治療病棟入院料の注4に掲げ. → ...... 歩行器
    の代わりに点滴スタンド、シルバー車、車椅子等につかまって歩行する場.

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