全日病ニュース
全日病が終末期医療に関するガイドラインを改定
全日病が終末期医療に関するガイドラインを改定
生前の意思表明(リヴィングウィル)の作成、代弁者の選定が重要
全日病はこのほど、「終末期医療に関するガイドライン~よりよい終末期を迎えるために」の改訂版を公表した。病院のあり方委員会(徳田禎久委員長)がまとめた。
患者が助かる見込みがない「終末期」の状況における医療の選択では、患者自身の意識がなかったり、意識があっても判断力がない場合が多く、この場合、家族にその判断を任せるのが通常だ。
しかし、終末期に際しての医療を家族で話し合うことは多くない。また、家族が患者に代わって意思決定することは精神的な負担が大きく、患者の意思を実現できる仕組みが必ずしも保証されていないなど、終末期をめぐって多くの課題がある。
医療現場では、患者・家族の意思を確認できないまま、治療の開始、継続、中止の判断をせざるを得ない場合がある一方、患者・家族の希望に沿って対応したことから警察に事情聴取され、逮捕されるなど、医療提供側にとって厳しい状況がある。
全日病は、終末期の問題に対応するため、2009年に「終末期医療に関するガイドライン」を策定したが、このほど、最近の動向を踏まえて改定を行った。患者の意思を尊重し、医療をいかに開始し、中止すべきかについての考え方を盛り込んでいる。代弁者の位置づけをよりわかりやすく記載し、フローチャートの見直しも行われた。
生前の意思が不明確な場合の対応
終末期においては、人工呼吸器や経管栄養、補液、抗生物質などの薬剤の使用開始と継続が問題となるが、病気の状態に合わせて事前にどのような治療を受けるか、治療の継続と中止をどうするかなど、生前の意思を明確にして文書にしておくことが大切である。
また、自分で判断できない状態に陥った際の代弁者を決めておくことも重要となる。医療提供者は、生前の意思表明(リヴィングウィル)がない場合、患者の意思を推測できる家族がいる場合は、その家族から本人の意思をきく。生前の意思表明が不確かで代弁者が決められていない場合には、「他の医師、看護師と家族を交えて相談し、治療を開始、あるいは治療を中止することを決めることができる」ようにすべきとしている。
医療提供者は、家族全員が状況を理解し、考えをまとめることを支援することが必要だ。しかし、支援しても合意が得られない場合は、第三者を含む倫理委員会で検討し、その結論に基づいて対応する必要がある。
治療方針を決定する際は、各施設で定める様式に従って、経緯や理由を記録しておくべきである。
ガイドラインには、終末期医療の治療方針決定に至るフローチャートおよび終末期の判断と、リヴィングウィルに関する書式が添付されている。
【ガイドラインについては当協会ホームページからダウンロード可能】
全日病ニュース2016年12月15日号 HTML版
[1] 終末期医療に関するガイドライン
http://www.ajha.or.jp/voice/pdf/161122_1.pdf
③ 終末期の定義も曖昧であり、さらに医療提供側と患者・家族が治療方針などを相 ...
基準も盛り込んだ「終末期医療に関するガイドライン」を策定いたしました。 ... 生前の
意思表明が不確かで代弁者が決められていない場合には、「治療により回復が期.[2] 終末期医療に関するガイドライン(全文)
http://www.ajha.or.jp/topics/info/pdf/2009/090618.pdf
かし、終末期では、患者自身に意識がない、あるいは意識があっても判断力がない状 ...
かについての基準も盛り込んだ「終末期医療に関するガイドライン」を新たに策定い ...
生前の意思表明が不確かで代弁者がおらず意思が推測不可能な場合には「治療に.[3] 現場は、すでに、患者家族の意向を聞いた対応をしつつある!|第829回 ...
http://www.ajha.or.jp/news/pickup/20140801/news06.html
2014年8月1日 ... 全日病の「終末期医療に関するガイドライン策定検討会」は、2009年に「終末期
に関するガイドライン」をまとめた。 ... 代弁者が必要. 池上 終末期医療について、少し
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