全日病ニュース

薬価調査を毎年実施、かい離率の高い品目に限って改定

【４大臣会合】
薬価制度抜本改革の基本方針で合意

　菅義偉官房長官と麻生太郎財務大臣、塩崎恭久厚生労働大臣、石原伸晃経済財政担当大臣の４大臣は12月20日、薬価制度抜本改革の基本方針で合意した。
　保険収載後に効能追加などで一定規模以上市場が拡大した医薬品の薬価を年４回見直す。全品を対象とした薬価調査を毎年実施し、市場実勢価格とのかい離が大きい医薬品の薬価を毎年改定する。具体的な内容は中医協で議論し、来年中に結論を得る。
　塩崎厚労相は20日の閣議後会見で基本方針を説明。「高額な薬剤が登場するなどの問題で、現在の薬価制度が柔軟に対応できていない。国民皆保険制度の維持とイノベーションの推進の両立を図る必要がある」と述べた。
　経済財政諮問会議の民間議員は、全品を対象とした毎年改定を主張していたが、一定規模以上市場が拡大した医薬品やかい離幅が大きい医薬品に限ることになった。２年に１回の薬価調査に加え、その間の年に大手事業者等を対象とした全品の薬価調査を実施することとした。厚労省によると、「四大卸」で全体の売上げの約75％を占めるという。
　イノベーションの推進の観点では、値引き率の小さい医薬品の薬価を維持する「新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度」を抜本的に見直す。また、費用対効果の高い医薬品の薬価の引上げなどを検討するとしている。