全日病ニュース

構成員が様々な医師偏在対策を提案

【厚労省・働き方ビジョン検討会】
１月に医師勤務実態調査を報告

　厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」（渋谷健司座長）は12月19日、年内の中間報告とりまとめに向け、前回に引き続き構成員からの意見発表と、それを受けた議論を行った。
　中間報告では、これまでの議論で出た提案を整理し、一定の意見集約を図る。働き方ビジョン検討会の議題に「医師偏在対策」が加わったため、構成員から偏在対策の提案が行われている。
　同日は、鈴木英敬構成員（三重県知事）が三重県からの４つの提案を行った。
　具体的には、①専門医研修プログラムで地域・診療科ごとの募集定員を設定②医師配置の現状を都道府県が把握し、医療計画に目標を記載③専門医研修プログラムにおいて、１年程度のへき地での診療を組み入れ④地域医療介護総合確保基金の活用による医師確保・育成─を示した。
　熊谷雅美構成員（済生会横浜市東部病院看護部長）は、超高齢社会・少子社会に対応できる看護師養成のため、訪問看護で行う業務を念頭に看護師特定行為研修における特定行為の拡大を主張した。また、労働環境の改善に向け、夜勤加算算定のない施設の看護職員の労働実態調査の実施を提案した。
　働き方ビジョン検討会は年内に中間報告をまとめる。ただ中間報告段階では、具体的な施策は打ち出さず、理念・考え方を整理するにとどめる。１月には、12月に実施した医師の勤務実態調査の結果を厚労省が説明。それを受け、具体的な施策を含めた議論を行い、年度内に報告書をまとめる。