全日病ニュース
在宅医療に関するエビデンスを蓄積
在宅医療に関するエビデンスを蓄積
【全国在宅医療会議WG】
入院医療と対立しない対応求める
厚生労働省の「全国在宅医療会議ワーキンググループ」(新田國夫座長)の初会合が1月12日に開かれた。在宅医療に関するエビデンスや医療連携、普及啓発モデルを蓄積し、親会議の全国在宅医療会議に報告するのが目的。「在宅医療の推進」が強調される中で、入院医療と対立的に捉えられることがないよう配慮を求める意見が相次いだ。
医療連携では、行政と地域医師会の連携体制構築を求める意見が出た。
昨年7月に開かれた全国在宅医療会議で、「アウトカム指標といった在宅医療の効果の研究の充実」、「地域の医療資源を踏まえた普及啓発の手法」、「看取りまで対応できる医療提供体制」が必要との指摘があった。これを踏まえ、根拠や実例に基づいた在宅医療を具体化するために同WGが設置された。
「在宅医療に関するエビデンスの蓄積」と「在宅医療に関する医療連携、普及啓発モデルの蓄積」を論点として検討し、骨子をまとめて、全国在宅医療会議に報告する予定だ。
在宅医療に関するエビデンスでは、現在、名古屋大学大学院の葛谷雅文教授を中心とする組織がガイドラインを作成している。今年8~9月の公開を予定していることを説明。葛谷教授は、「科学的根拠が重要」だが、様々な臨床的疑問に答える論文は少ないとし、「まずは何が明らかで、何が明らかでないかを知ることが大事」と強調した。
続いて、神奈川県横浜市と横須賀市の在宅医療に関する取組みが報告された。横須賀市は、「住み慣れた家で療養したいという人が、在宅での療養・さらには看取りという選択ができるよう、地域医療の体制づくりを進める」との考えに基づき、2011年度から取り組んだ。その結果、自宅での死亡率は2011年度の18.4%から2016年度に22.9%まで上がっている。横須賀市の担当者は普及啓発事業のポイントとして、「市民に在宅療養という選択肢について、まずは知ってもらい、理解してもらう」ことが重要とした。
ただ委員からは、「在宅医療」の内容が不明確なままで、「推進」が前提になる状況は注意すべきとの意見があった。
全日病会長の西澤寬俊会長は、「患者自身が『自宅』というときに、サ高住やグループホームが含まれているのかなどが明らかでない」として、住民意識の正確な把握が必要だと指摘した。
また、「入院医療と在宅医療が対立的にみえる」ことのない対応を求めた。
他の委員からは、「自宅死」であっても、「孤独死」など「幸せではない自宅死」が少なくない可能性を指摘する意見もあった。
全日病ニュース2017年2月1日号 HTML版
[1] 第785回/2012年9月1日号
http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2012/120901.pdf
8月22日のチーム医療推進会議に事務. 局(厚労 .... これを受け、支払側の小林委員(
全国. 健康保険 .... 床試験等の実績(エビデンス)に基づい .... 2013年からの医療計画
見直しは5疾病5事業と在宅医療が柱 ..... 神奈川県 横須賀市立市民病院 院長 久保. 章
.[2] 全日病ニュース・紙面PDF(2014年6月1日号)
http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2014/140601.pdf
2014年6月21日 ... 21世紀の医療を考える全日病. NEWS ... 規制改革会議「選択療養制度」(仮称)の答申
盛り込みを決定. 6月の新成長 ... エビデンスとともに書面で提示して同 ... を、専門家が
全国統一的に中立的・客 ..... え、「在宅医療推進協議会の設置・運.[3] 全日病ニュース・紙面PDF(2015年7月1日号)
http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2015/150701.pdf
2015年7月1日 ... 第1次報告は、2025年の全国の医療機能別必要病床数を、高度急性期13.0万程度、.
急性期40.1 ... となる提供体制はどうあるべきかという視点から、地域医療構想の策定と
調整会議の話. し合いに .... 在宅」が地域医療構想と地域包括ケアの鍵を握る。地域の
..... や推計方法の精緻化等に取り組み、エビデンスベース. の改革を ...
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