全日病ニュース

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研修の運用細則の考え方を概ね了承

研修の運用細則の考え方を概ね了承

【専門医機構】
大都市の専攻医の募集に上限設定

 日本専門医機構(吉村博邦理事長)は1月13日の理事会で、専門医の新たな仕組みの2018年度のスタートに向け、各基本診療領域が定める運用細則の考え方を概ね了承した。大都市がある6都府県の専攻医の募集人数に、上限を定める手法を導入する。また、一定規模の基本診療領域では、大学病院以外を含む複数の基幹病院を設けるよう調整する。次回2月中旬の理事会で運用細則を決定する方向だ。
 新たな専門医の仕組みは当初の予定から1年延期となり、2018年度から始まる予定。今年6月に専攻医の募集を始められるよう準備を急いでいる。医師偏在の拡大が懸念されたことが延期の最大の理由であり、昨年12月に改訂した整備指針では地域医療への配慮を盛り込んだ。だが、具体策は、各基本診療領域の運用細則に委ねている。
 今回、大都市がある6都府県について、基本診療領域の募集人数に上限を設けることを了承した。過去3年の実績をもとに、その実績の一定範囲を超えないようにして、大都市に専攻医が集中しないようにする。現行の臨床研修制度のマッチングでは、都道府県別の募集定員に上限を設けて、東京・神奈川・愛知・京都・大阪・福岡に、研修医が集中しないよう誘導している。
 ただし「外科」「産科」「臨床検査」「病理」は除く。専門医の希望者数自体が減少傾向にあるためだ。
 研修を行う基幹病院は、大学病院以外の病院を含め、複数の基幹施設が認定される基準とすることを改めて確認した。ただし、一定以上の規模の基本診療領域を対象とする。
 19の基本診療領域の専門医の名称は「日本専門医機構 基本領域○○専門医」となる。サブスペシャリティの名称は「日本専門医機構 ○○専門医」。
 サブスペシャリティは内科系13領域・外科系4領域ですでに了承されているが、その他についても、今後機構が認定していく。基本的には、基本診療領域との組み合わせで認定するが、「人間ドック」など単独での認定を検討する場合もある。
 また、将来的には、機構が認定する専門医が、厚生労働省が定める「医療に関する広告が可能な専門医」になることを想定した対応が求められる。
総合診療専門医は引き続き検討
 1月11日開催の基本問題検討委員会で、1年目に外科、小児科または内科を1年間、2年目に救急を1年間、3年目に内科を1年間、それぞれの専門領域の指導医のもとで行い、地域総合診療医として認定してからサブスペシャリティーとして、プラマリケア総合診療医、家庭医療総合診療医、病院総合診療医をつくっては如何かという案が提示されたという報告があった。
 これに対して、この案は総合診療専門医に関する委員会で検討されていないこと、プログラムに総合診療の関係者の関与がないことなどから反対であるとの発言があったほか、「1回の委員会と2回のワーキンググループでの議論で結論は出ないのではないか」などの意見があり、引き続き総合診療専門医に関する委員会で検討することとなった。

 

全日病ニュース2017年2月1日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 専門医制度新整備指針を承認|第886回/2017年1月1日・15日合併号 ...

    http://www.ajha.or.jp/news/pickup/20170101/news16.html

    2017年1月1日 ... 機構と学会の役割分担や基本診療領域サブスペシャリティ、基幹施設と連携施設の
    関係などについて、第1版からの ... において、各基本診療領域運用細則を策定。2~
    3月に各学会が研修プログラムを作成した上で、機構が確認する。

  • [2] 全日病ニュース・紙面PDF(2016年3月1日号)

    http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2016/160301.pdf

    2016年3月26日 ... 16年度改定について各領域から留意点を明らかにし、3月4日が見込まれる告示・通知.
    で確認すべき点を参加者に示した。 セミナーで、猪口副会長は、全日病の医療保険・
    診療報酬委員会に改定QAに関する. 窓口を設置する ..... その骨格は、(1)基本19領域
    サブ. スペシャリティ29領域の2段階制とす. る、(2)更新 .... ないような柔軟な運用
    望まれる。 3. 医局から ...... 支援業務等を規定した細則案が承認された。

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