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医療法等改正案の概要

【資料】

医療法等改正案の概要

(2017年1月18日 医療部会資料より)

通常国会に提出する医療法等改正案の内容が1月18日の社会保障審議会・医療部会で了承された。改正事項は、多岐にわたる。医療部会の資料から、改正のポイントを抜粋する。

持分なし医療法人への移行促進策の延長

1.現状と対応
○法人財産を持分割合に応じて出資者へ分配できる「持分あり医療法人」は、2006年の医療法改正以降、新設を認めず、「持分なし医療法人」への移行を促進。持分あり医療法人では、出資者の相続が発生すると相続税支払いのため払戻請求が行われるなど法人経営の安定について課題がある。
○「持分あり医療法人」から「持分なし医療法人」への移行計画を国が認定する制度を設け、相続税猶予等の税制措置を実施。この認定期間が、2017年9月までとなっていることから、延長が必要。【医療法改正・税制改正】
2.改正のイメージ(下図参照)

医療機関を開設する者に対する監督規定の整備

1.現状と課題
○病院等(病院、診療所又は助産所)の開設主体は様々であるが、医療法人に対しては、医療法の規定により開設者への立入検査等を通じて法人の運営に対する監督を行うことができる。一方、医療法人以外の病院等を開設する法人の運営に対しては、医療法による規制が及ばず、各法人の根拠法によって監督の内容が異なる。
○特に、一般社団法人・一般財団法人等については登記のみで設立が可能であり、かつ法人自体を監督している行政庁がないため、開設者に対する指導が十分できていないという課題がある。
2.対応方針
○医療機関の適正な運営を確保するため、医療法を改正して、医療機関を開設する者に対する監督規定の整備を行う。
・現行の医療法では、都道府県知事等による医療機関への立入検査のみ可能だが、医療機関の開設者の事務所その他病院等の運営に関係する場所への立入検査も可能とする。
・医療機関の運営が著しく不適切である場合、開設者に対し、都道府県知事等による改善命令、業務停止命令等を可能にする。

妊産婦の異常の対応等に関する説明の義務化

1.現状
○分べんにおける急変時に助産所から医師・医療機関への連絡がなかったことにより、母児が死亡するケースが発生。
○助産師会の調査により、妊婦に対して、妊娠中に起こりうる異常・合併症、医療機関との連携(転院、搬送の可能性)等の出産リスクに関する事前の説明文書の作成が十分に行われていない現状が明らかとなった。
2.制度改正のポイント
○妊産婦の更なる安全の確保のため、助産所の管理者に対して、妊産婦の異常に対応する医療機関名等について、担当助産師が妊産婦へ書面で説明することを義務付ける。

看護師等に対する行政処分に関する調査規定の創設

1.現状
○現在、看護師等の行政処分の基となる事実関係については、
・刑事罰が科せられた場合は、刑事判決を入手すること
・刑事罰が科せられない場合は、任意協力や都道府県からの報告により、行政庁自らが入手することにより、これを確認している。
○しかしながら、現行の法律では、事実関係を把握するための調査権限に関する規定が設けられていないため、仮に、任意協力が拒まれた場合に調査を行うことが困難な状況となっている。医師・歯科医師については、過去に同様の問題点が指摘され、厚生労働大臣の調査権限規定が設けられている。
2.制度改正のポイント
○医師・歯科医師と同様に、看護師等について行政処分をすべきか否かを調査する必要がある時に、関係者から当該事案についての報告を求め、当該事案に関係する病院等に立ち入り検査ができるよう、厚生労働大臣の調査権限規定を創設する。

遺伝子関連検査等の品質・精度の確保

1.現状と課題
○医療機関における検体検査には、品質・精度管理の基準について法律上の規定がないなどの課題がある。
○特に遺伝子関連検査の精度管理については、ゲノム医療タスクフォースにおいても指摘を受けている。
2.対応方針
○医療機関が自ら実施する検体検査について、品質・精度管理に係る基準を定めるための根拠規定を新設する。【医療法改正】
○これに合わせてブランチラボや衛生検査所に業務委託される検体検査について、精度管理に係る行政指導等の実効性を担保するため、品質・精度管理に係る基準を省令で定める旨を明確化する。【医療法・臨検法改正】(注)具体的な基準については、現在厚生労働科学研究の研究班で検討中であり、その成果を踏まえ、別途検討会で議論する予定。検討会では、医療機関の現状を踏まえつつ、医療機関の特性、実施されている検査の内容等に応じた基準となるよう、議論する予定。

特定機能病院のガバナンス改革

1.現状
東京女子医科大学病院及び群馬大学医学部附属病院において医療安全に関する重大事案が発生。
2.対応方針
「大学附属病院等の医療安全確保に関するタスクフォース」及び「大学附属病院等のガバナンスに関する検討会」の議論を踏まえ、特定機能病院の医療安全管理体制の確保を図るため、医療法の改正を行う。
○特定機能病院は、高度かつ先端的な医療を提供する使命を有しており、患者がそうした医療を安全に受けられるよう、より一層高度な医療安全管理体制の確保が必要であることを法的に位置付け
○特定機能病院の開設者は、管理者が管理運営業務を遂行するために必要な権限を明確化することを義務付け
○特定機能病院の開設者は、管理者が医療安全を確保できるよう、適切な管理者の選任、監査委員会の設置などの措置を講ずることを義務付け(詳細は省令において規定)

医療機関のウェブサイト等の取扱い

1.現状
○美容医療サービスに関する消費者トラブルの相談件数が増加
○消費者委員会が「美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議」をまとめる(2015年7月)
○「医療情報の提供内容等に関する検討会」において4回にわたり議論(2016年3月~9月)
2.対応方針
医療機関のウェブサイト等を広告可能事項が限定される医療法上の広告とすると、患者が知りたい情報(詳細な診療内容等)が得られなくなる等の懸念を踏まえ、引き続き、現行の医療法上の広告規制の適用対象とはしないが、医療法を改正し、虚偽・誇大な内容等の不適切な表示を禁止し、広告と同様の命令及び罰則を課すことができるよう措置する。

 

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全日病サイト内の関連情報
  • [1] 医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査要綱の一部改正について ...

    http://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2017/170105_2.pdf

    2016年12月19日 ... 医療法第25条第1項に基づく立入検査については、都道府県知事、保健所を設置する.
    市の市長又は特別区の区長が ... は、当該病院開設者又は管理者に対して当該事実を
    通知するとともに、当該病院開設者又. は管理者に改善計画書の ...

  • [2] 平成28年度の医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査の実施 ...

    http://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2017/170105_3.pdf

    2016年12月19日 ... 平成28年度の医療法第25条第1項の. 規定に基づく立入検査の実施について. 票記
    について、別添(写) のとおり各都 .... 医療法第7条及び第8条に基づく医療機関の開設
    手続に当たっては、開設者が実質的. に医療機関の運営の責任主体たり ...

  • [3] 医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査要綱の一部改正について

    http://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2012/120717_4.pdf

    医療法第2 5条第ー項の規定に基づく立入検査は、 医療法に基づく すべての病院を
    対象 ... は、 当該病院開設者又は管理者に対して当該事実を通知すると ともに、 当該
    病院開設者又 ... 〇医療法施行令第4条の2第ー項に基づく届出に記載された管理者氏.

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