全日病ニュース

第７期介護保険事業（支援）計画の基本指針を議論

【厚労省・介護保険部会】
療養病床から新型施設への転換は総量規制の対象外

　社会保障審議会・介護保険部会（遠藤久夫部会長）は２月27日、2018年度から始まる第７期の介護保険事業（支援）計画の策定に際して、国が定める基本指針の見直しについて議論した。同計画は現在第６期（2015～ 17年度）が実施されており、市町村と都道府県は、基本指針に即して第７期の計画を策定することとされている。厚生労働省は、今年10～ 12月には基本指針を告示する予定だ。
　介護保険事業（支援）計画は、第６期計画以降、「地域包括ケア計画」として策定されている。2025年までの各計画期間を通じて地域包括ケアシステムを段階的に構築するため、「2025年までのサービス、給付、保険料の水準も推計して記載」する方針を打ち出している。したがって、第７期計画は、２期目となる「地域包括ケア計画」の内容を盛り込むとともに、医療計画との整合性確保を求めるスキームとなる。
　こうした認識に加えて、今国会に提出した介護保険法の改正事項を踏まえ、厚労省は、「地域における自立支援」や「要介護状態の予防・軽減・悪化の防止」「介護給付等の適正化」の取組みおよび目標を計画の記載事項として示した。また、「地域ケア会議の推進」「人材の確保および資質の向上」「医療計画との整合性の確保」「都道府県による市町村支援」などを盛り込む考えを示した。
　なお、療養病床等から新型施設への転換に関しては、「総量規制の対象外とする」取扱いで臨む方向が示された。医療計画との整合性確保に関連して、「協議の場を持つ必要性」が記されているが、この点について質問された厚労省は、「都道府県、市町村、関係者が考えられるが、どういう場にしていくかなどは今後検討する」と答えるにとどまった。
　この日は、基本指針の構成案を中心に意見交換。委員からは、効果的な人材確保策がないこと、サ高住に対する介護保険部局による規制が及ばないことなど、問題点の指摘があった。基本指針案は、文案の段階で再び部会で議論される予定だ。
　また厚労省は、通常国会に提出した「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」の概要を報告した。その中で、「新たな介護保険施設（介護医療院）」については、「病院または診療所から新施設に転換した場合には、転換前の病院または診療所の名称を引き続き使用できる」とした上で、「介護保険法上の介護保険施設だが、医療法上は医療提供施設として法的に位置づける」と説明。　「具体的な介護報酬、基準、転換支援策は介護給付費分科会等で検討」することを明らかにした。また、「現行の介護療養病床の経過措置期間は６年間延長する」としている。