全日病ニュース

肝疾患の診療・支援体制整備で通知改正へ

【厚労省・肝炎対策推進会議】
肝炎医療コーディネーターの活動内容示す

　厚生労働省の肝炎対策推進協議会（林紀夫会長）は３月１日、肝炎対策基本指針に基づく肝疾患の診療および支援体制の整備について協議。肝炎対策の進め方を定めた健康局長通知を改正する方向を確認した。
　国内では300万人以上が肝炎ウイルスに罹患していると推計され、肝炎は最大の感染症となっている。肝炎は適切な治療を行わないと慢性化し、肝硬変や肝がんに移行するおそれがある。肝炎対策基本法に基づき肝炎対策基本指針が定められ、対策が進められているが、Ｃ型肝炎のインターフェロンフリー治療が保険適用となるなど肝炎治療を取り巻く環境も変化している。
　同日の協議会では、2007年４月の健康局長通知「肝疾患診療体制の整備について」の改正案が示された。改正内容は、①地域における目標や指標の設定②受検、受診とフォローアップが円滑につながる体制づくり③患者本位の肝疾患診療④肝疾患診療の向上と均てん化⑤相談・支援の取組みの推進。
　地域の実情に応じて肝炎ウイルス検査の目標を設定し、定期的に実施状況を把握して評価と見直しを行うとともに、地域や職域におけるウイルス検査の普及を図り、検査陽性者には専門医療機関を紹介する取組みを進める。また、肝炎対策協議会を定期的に実施し、肝疾患診療の向上を図る内容となっている。
　そのほか、肝炎医療コーディネーターを養成するため、国がコーディネーターの基本的な役割や活動内容に関する考え方を示し、都道府県がコーディネーターの育成を進めることを説明した。
　厚労省の通知案によると、肝炎医療コーディネーターの活動内容は、肝炎医療の情報・知識の説明、肝炎ウイルス検査の受検案内、検査陽性者への受診勧奨、専門医療機関との診療連携のほか、肝炎患者や家族への生活面での助言や服薬・栄養の指導など。