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患者の状態に応じた病棟の評価などを検討

患者の状態に応じた病棟の評価などを検討

【中医協・総会】
7対1や10対1の要件見直しも検討対象に

 中医協(田辺国昭会長)は3月15日に総会を開き、入院医療の評価をめぐり議論した。厚生労働省は一般病棟入院基本料が、主に看護配置を要件として段階的に設定されている現状に対し、「患者の状態に応じた評価と機能に応じた評価との整合性」を図る観点から見直すことを論点とした。支払側委員は、7対1を算定する病棟の削減を求め、診療側委員は診療報酬の評価において、過度に機能の明確化を進めることは問題があるとした。
看護職を加配している実態を説明
 一般病棟入院基本料のうち、最も看護配置等が手厚い7対1が約半分を占める。厚労省は今回、様々なデータで病棟の状況を示した。看護職員はいずれの病棟区分でも必要な配置数より、多く配置しており、7対1が最も多い。医師以外の職員数を1病床当たりでみると、約95%で看護職員以外の職員を配置、職員数全体の約2割となっている。全日病副会長の猪口雄二委員は、「これだけ加配している事実がある。診療報酬算定における専従や夜勤時間の要件の弾力化を検討すべき」と主張した。日本看護協会の委員は、「育児や産休、介護休暇などを見込んだ対応の反映と考えられる」と述べた。
 疾患別では、7対1は「新生物」が最も多く、7対1以外では「損傷、中毒およびその他の外因の影響」が最も多い。年齢階級別で75歳以上の割合は、7対1が最も少なく約42%で、次いで10対1が約51%。医療処置は7対1で多いが、15対1は喀痰吸引や中心静脈栄養が多い。支払側委員は今後75歳以上が急増することを踏まえ、「7対1は多すぎる」と主張した。
 厚労省は、7対1の一部では、10対1と明確な違いがないことも示した。
 平均在院日数と病床利用率はそもそもばらつきが大きく、10対1と7対1は重なる。「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合と看護職員実配置数で、10対1の一部は7対1と同程度である。
 DPC 対象病院で、1日当たり包括範囲出来高点数や効率性指数、複雑性指数は7対1と10対1で重複する範囲が広い。平均在院日数短縮を評価する効率性指数は、7対1がやや高い傾向にある。
 猪口委員は、「7対1と10対1の点数に差がありすぎるのも問題。間にもう一区分設けることを検討してほしい」と要望した。また、病院内で7対1と10対1の混在を認める病棟群単位の算定について、「現状であまり使われていない。改善策を講じて、2018年度以降も継続すべき」と述べた。
 厚労省はこれらのデータを踏まえ、次期改定での見直しの論点を提示。入院基本料は主に看護配置等で設定されているが、「患者の状態や診療報酬の効率性等を考慮する必要がある」と問題提起した上で、「患者の状態に応じた評価と機能に応じた評価との整合性」を求めた。さらに、「7対1、10対1」と「13対1、15対1」の違いが大きいことを問題視した。
 厚労省の論点に対し、支払側委員は、「7対1のばらつきが大きい。本来10対1が望ましい患者が7対1に入院している。7対1を明確にするため、該当患者割合25%の引上げを含め、『重症度、医療・看護必要度』の見直しが必要。また、在宅復帰率は意味がないので廃止し、医療密度を評価する指標も検討すべき」と主張した。
硬直的な取扱いは危険
 これに対し診療側委員は、「7対1でも看護配置等が不十分だから、加配している。点数も足りない。重症度、医療・看護必要度は病院に大混乱を引き起こした」と反論。厚労省の論点に対して、「効率性を考慮するというが、医療は物品のように整理できない。それぞれ異なった医療ニーズを持つ患者が病院に来る。包容力が必要で、硬直的に取扱うのは危険だ」と訴えた。
 迫井正深医療課長は、「必要とされる医療サービスと、それを評価するストラクチャー(看護配置等)にミスマッチがあるのではないか、ストラクチャーを整えることが逆の効果を生むことがあるのではないか、という問題意識があり、それがかみ合うようにする必要がある。もちろん、様々な患者が入院していることを踏まえた、硬直的ではない対応が必要」と回答した。
 厚労省は、医療機関の役割分担に関する論点も提示した。開設者別の医療機関数では民間が約7割であるのに対し、7対1の届出は国立、公立、公的・組合の合計で約5割強を占める。
 地域医療構想の資料も改めて提示。「医療機能の分化・連携を進めるための調整が行われている」と指摘した上で、現行の診療報酬で連携を進める評価として、退院支援加算や感染防止対策地域連携加算、DPC 制度の機能評価係数Ⅱ「地域医療係数」があることを示し、さらなる評価の検討を促した。
 猪口委員は、「退院支援加算は1を取れないと、地域医療連携計画加算が算定できないため連携パスが動かない悪影響が出ている」と指摘した。

 

全日病ニュース2017年4月1日号 HTML版

 

 

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